NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
「!!?」
私は一瞬何が起こったのかわからなかった。
止めを刺しににった伊達が、シャイニングフェニックスを狙って助走をつけたのはわかっていたし、これで決まるとも思った。
だが、一瞬の間に伊達が両肩をマットにつけており、カンナが伊達を押さえこんでいた。
歓声と悲鳴が入り混じる中、レフェリーのトニー館の右手がマットを3度叩く。
「51分11秒、51分11秒、フランケンシュタイナーによりまして、勝者、カンナ神威!! AACタッグ選手権試合は女王組の勝利です!」
なるほど。・・・そういうことか。
シャイニングを狙って助走をして突っ込んでくる伊達に素早く反応したカンナがフランケンシュタイナーで伊達をマットに叩きつけたわけか。
カンナのセンスは恐ろしいものがある。
あの伊達のシャイニングをこんな風に切り返すとは。
やられた伊達も、みことを押さえて勝利を確信していたであろう南も、パートナーのみことですら呆然としている。
◇試合後◇
「凄かったな、最後は。」
「最後・・・だけですか?」
カンナは面白くなさそうに言う。
「いや・・・そうではなくて、最後が”特に”凄かったといいたいんだけど。」
あわてたわけではないがフォローはしておく。
「ありがとうございます。前から試して見たかったんです。」
「前から?」
「ええ。タッグを組んでいた時から・・・ま、いまも組んだりはしますけど・・・そのときから思っていたんですが、伊達さんはシャイニングに入る時、攻撃する事に集中しすぎているって。」
「魂を込めているから・・・?」
「ええ、それもあるでしょう。だからこそ反撃する事ができればチャンスなんだろうなって。今日は巧くいきました。」
なんでカンナってこんなに冷静に見てるんだろう・・・ある意味凄いよな。
「なるほど・・・」
「でもタイミングが間違えば、伊達さんのことですからシャイニング狙いからフェニックスJとかニーに切り替えてくると思います。いつも巧くいくわけではないですから。」
◇6年目4月◇
クイーンズカーニバル第3戦はAAC女王組の勝利で終った。
今日の第4戦熊本大会ではWWCAタッグを予定している。
「一昨日防衛したばかりで今日は挑戦者。なんだか忙しいですね。」
「すまないな。強行日程で。」
「気にしないでください。私は楽しんでますから。」
みことは笑顔を見せる。
この笑顔のかわいらしさ、所作の美しさと、試合での力強さのギャップが人気なんだろうな。
男性ファンのみならず、女性ファンも多いのも頷ける。
「それならいいのだが・・・今日は頼むぞ。」
「任せてください。そんなに信用できませんか?」
「いやそんな事はない。信頼しているよ。」
「ありがとうございます。」
今日はWWCAタッグ選手権試合。
女王組の伊達&永沢 に挑むのは みこと&X組と発表している。
もちろんXにしたのは形だけですでに決まってはいるのだが。
みことが先に入場し、あとからXが入場するという形式を取る。
「青コーナーより選手入場!」
仲間リングアナのこの声をきっかけに、会場に流れたテーマ曲はサンダー龍子のテーマ。
客席からはどよめきと、サンダーコールが飛ぶ。
だが、サンダーのテーマはイントロだけ(ごめんね)で吉田龍子のテーマに変わる。
落胆の声も聞かれたが、ここは吉田の地元でもあるので、歓声に変わるまではそんなに時間はかからなかった。
吉田のプラズマサンダーボムをカウント2.8で返した永沢。
「このお!」
吉田は気合を込めたぶん殴りラリアートで起き上がったばかりの永沢を吹き飛ばす。
そしてすかさずカバー!
「まだまだあ!です!!」
永沢はこれをブリッジで返す。
「そんな・・・」
「吉田ァ!!」
永沢の”たいあたり”で吉田は動きが止まる。
ここがチャンスとみた永沢は・・・
「みんな~必殺技だよ、必・殺・技!!」
「あ・・・舞のバカ!!」
永沢が呑気にアピールしている間にみことが吉田を救出しようとリング入ろうとしている。
それに気づい伊達はリングを回りこみ、みことの足を引っ張る。
不意をつかれたみことは場外へと引き摺りおろされてしまう。
その間に永沢は何事もなかったかのように必殺のドラゴンタイガーを決め、試合を終わらせた。
「51分55秒 テキーラサンライズによりまして勝者永沢舞!」
後輩相手とはいえ、この師弟タッグでは永沢は初のフォール勝利となる。
◇試合後◇
「やったあ!」
フォールをとり、ご機嫌な永沢。
ゴン!
と鈍い音がしたかと思うと、永沢が頭を抑えてうずくまっている。
そばには無言でそれを見下ろす伊達の姿が。
「いった・・・」
「舞・・・余計なアピールはするなと教えたはず・・・だけど」
伊達は冷たく言う。
「あはは・・・」
ゴン!
笑ってごまかす永沢にもう一度ゲンコツが・・・
「いったーー」
「ごまかさない・・・の。」
「えへへ・・・だって・・・」
「ニーの方が・・・いい?」
うわ・・・怖っ!!
「ごめんなさい・・・調子に乗りすぎました。」
「・・・舞の元気なところは・・・いいと思う。でも無駄なアピールはいけないの。」
「はい。気をつけます。」
「・・・最後のテキーラは・・・よかったよ。」
「はい、ありがとうございます!!」
永沢はゲンコツの痛みなのか褒められた嬉しさなのか、涙を流していた。
一方・・・
「すいませんでした、草薙先輩。」
すまなそうにする吉田と対象的にみことは満足そうな顔をしている。
「負けたのは残念だけどでも龍子さんは得るものあったでしょう?」
「はい。」
「ならそれでよかったのです。最後はちょっと・・・ですけど。」
「そうですね。永沢先輩があそこまでタフだとは思わなくて。どうしていいか分からなくなりました。」
吉田はぐっと拳に力を込める。
「負けて学ぶ事もあるのです。舞さんの方が1年キャリアが長い。それだけ揉まれて修行していたということです。あとは龍子さんも修行しだいですよ。」
「はい!」
みこと&吉田組というのもいいなあと思った。
見た目だと吉田の方がお姉さんに見えるけど、みことはしっかりしているからな。
初のタイトルマッチをリードするには適任だったと思う。
うん、ナイスセレクト。
「いい仕事したなあ。」
「・・・それ私のアイディアなのだけど。」
南に私の呟きを聞かれてしまい、結局夕飯をおごらされてしまった。
失敗した・・・よ。
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