NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
伊達とカンナの激闘から武藤と結城が何を感じたか、それは本人たちにしかわからない。
クイーンズカーニバル最終戦のメインイベントはEWA認定世界ヘビー級選手権試合。
このEWA王座は自団体のベルトを持たないNEW WINDにとって、中核を担う役割を果たしてきた歴史あるベルト。
団体レベルではWWCAの方が上だけど、選手たちの目標は今のところEWAベルト。
マッキー→南→マッキー→南→伊達→カンナと受け継がれてきたこのベルトの現在の女王は結城千種。
これに挑むのは唯一の同期であり、ベストパートナーであり、好敵手である武藤めぐみだ。
「3期生同士でこのベルトを争うまでになったか・・・」
感慨深げに私は呟く。
「そうだな。だけどあの子達の素質から考えれば遅かったくらいだと思うぞ。」
ダンディ須永氏は当然だという表情だった。
「ですか。でもそれは他の団体だったらと言う話でしょう?うちの団体はレベルが高いですからね。」
「当たり前だ。私が選手を見極め、指導し、社長が愛を込めて接する。これなくしてはここまではこないさ。」
「お待たせしました。本日のメインイベント、EWA認定世界ヘビー級選手権試合を行います。」
仲間リングアナの声が場内に響く。
「青コーナー 女王候補、静岡県出身 141パウン、武藤めぐ~み~!!」
武藤は右手を高々と突き上げ、結城を睨みつける。
武藤のコスチュームのあわせ、赤い紙テープが大量に投げ込まれる。
「赤コーナー EWAヘビー級女王 愛知県出身 139パウン 結城ちぐ~さ!」
結城は両手を突き上げ、武藤を睨み返す。
場内からは緑の紙テープがこれまた大量に投げ込まれる。
「レフェリー、トニー館。」
会場から一斉に”トニー”コール。
レフェリートニー館のボディチェックの間にセコンドの永沢、吉田が紙テープを片付けていく。
足でリングから描き出し、鉄柱を使って切り、素早く丸めるとリング下へと投げ込み終了。
いつもながら鮮やかだ。
最初は巧くできないのだが、1年もやってればあれくらい出来るもんだ。
さて試合のほうはハイスパートで進む。
仕掛けが早いし、ダウンからの回復も早い。
WWCA戦で伊達とカンナが見せた奥のある試合とはまったく逆の、スピードで見せる。
これは間違ってはいないけど、なんだかせわしなく感じるな。
バックドロップ、ダブルスピンムーンサルトと言ったお互いの必殺技が出たのは10分経過コールの後すぐ。
お互いに2.5でクリアして、武藤はここで奥の手”へな~らサンセット”に行く。
最近では武藤の奥の手として定着しつつあり、以前ほど笑いがとれない。
いや・・・別に笑いを取る必要はないのだが。
だけど、あのツンツン武藤がアニマルクラッチに入る姿はコミカルだと思うよ。
けどこの技結構キツイ角度で入るんだよな・・・結城はギリギリ2.9でクリア。
ここがチャンスとみた武藤はフライングニールキックを狙うが、結城はカウンターのケンカキックで迎撃。
これで武藤は動きが止まり、結城はバックドロップの体勢に入る。
これは決まった・・・と思ったのだが、さすがは武藤。
これを体勢を切り返してボディプレス。
カウントが入る。1度目・・・2度目。
これは返してくれるだろうと思っているのだが、結城の反応がない。
レフェリーのトニー館は3度目の手を振り下ろすのを躊躇った。
彼女の目は・・・「叩いていいのか?これで決めてしまっていいのか?」と言っていた。
躊躇いながらもトニー館は首を振る・・・表情は”ダメだこれは”と語っていた。
カウント3。
「17分3秒ボディプレスからの体固めで勝者、武藤めぐみ。」
このクイーンズカーニバルで唯一の女王交代劇。
どうやら結城は受けに失敗して頭を打ったらしい。その後病院へ運ばれたが、とりあえずは異常なし。
いい試合だっただけに残念な結果になってしまったが、ともかくリマッチを来月に開催する事にしようと思う。
なおクイーンズカーニバルのMVPはカンナ神威。
AACタッグ&WWCAヘビーでの内容が評価された形だ。
「光栄です。」と一言だけコメント、カンナらしいといえばらしいけどね。
なおカンナは来月はWWCAへの遠征が決定した。
女王達の競演は終演。
そしてNEW WINDは来月から6年目に突入する事になる。
「やっとデビューできるのね。」
「甘くないわよ。」
姉妹で同じリングに立つ日が近づいてくる。
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