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”主権委譲” その85
NEW WIND社長 風間 新 手記より。



※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
 ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
 それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。




 9期生二人が入団。
となると次はデビューだが、まず天才武藤(ジーニアス)が先に4月シリーズでデビューする。
 対武藤めぐみ戦でデビューし6分弱で敗退するが、武藤のヒップアタックをカウント2.8で返すなど、才能の片鱗は見せたと思う。
 最後は武藤の珍しいシャイニングウイザードが炸裂しEND。

「まったく生意気なんだから。思わず使ってしまったじゃない」
 武藤はそういうが認めたからこそなんじゃないのかな。
 相変わらず素直じゃない奴だな。
「悔しい・・・絶対に勝ってやるわ。」
 そっくりだねこの子。
これで血のつながりはないのは不思議だよ。
 でもこういう気性の方が伸びる気がするけどね。
 
 天才武藤は、このシリーズの間にノティアを撃破しシングル初勝利を飾っている。
 いくらそんなに強くない外国人選手相手とはいえ、デビュー月の勝利は立派だと思う。
 例によって9期の上の8期生とは差がかなり開いているので、先輩に勝利するのは当分先だろう。

「あら相羽ちゃんじゃない。私は勝ったわよ。相羽ちゃんは?」
 バックステージに戻ってきたジーニアスは、私の側に用事を聞きにきていた相羽を見つけ、わざとそういう言い方をする。
スターライトはまだデビューしてないのを知っているのにね。
「ぐぎぎ・・・」
「あら、まだデビュー前だったわね。ごめんね気づかなくて。」
 意地悪だなあジーニアスは。
でもこれで相羽が反発するのを知っているからやってるのだけどね。
「ま、頑張ってね。スターさん。」
 ジーニアスは涼しい顔で控え室へと下がる。
この後休む間もなくセコンド業務が彼女を待っているのだけど。

「く、悔しい!!社長!!早くデビューさせてください!」
「ダメ。スターライト相羽のデビューは来月の旗揚げシリーズって決定してるんだから。」
 これは本当だ。
「で、でも・・・早くデビューしたいです!」
「ダメ。ウチは基本的に新人は5月の旗揚げシリーズでデビューする事になってるんだから。」
「で、でもケイちゃんは・・・」
 相羽も簡単には引き下がらない。
「あいつは欠員が出たからデビューさせただけ。旗揚げシリーズの方が注目されるから、美味しいと思うんだけどな。」
「でもお・・・」
「そんなにジーニアスに負けたくないのか?」
 私はわかりきった質問をする。
「はい。負けたくありません。ジーニアスだけでなく、先輩達にも追いつけ追い越せです。誰にも負けたくないんです。」
 ほお言うねえ。
「わかった。なら、特訓しかないな。」
「特訓ですか!!!特訓してください!特訓お願いします!!」
「わかった。コーチには言っておくよ。・・・うちの特訓は厳しいぞ。」
「望むところです。よろしくお願いします!」
 うーんいいねえ。
うちで特訓を自ら望む選手は初めてだと思うよ。
 才能で上回る同期に勝つには努力・努力か。
“才能も体格もない俺達は努力するしかないんだ!”
 どこかのスポ根漫画で読んだセリフが頭に浮かんだよ。

 頑張れよ、スターライト相羽。
 

 
 さて特訓を積んだスターライトは遅れて5月にデビュー。
もっともデビュー後も特訓漬けだけどね。

 デビュー戦の相手は現MAX WIND女王の結城。
 結城が第一試合に出場するのは新人時代以来だと思う。

 ある意味サプライズだよね。

 ”結城を第一試合に持ってくる新人ってどんな奴だろう?”
と興味を持ってもらえれば、正直勝ったも同じ
 
 結城の攻めの前にほとんど何も出来なかったけどそれでも大きな声を出して決めたタックルで客席から大きな拍手を貰っていた。
元気のよさ、諦めない気持ちだけは観客に伝わったらしい。

「NEW WINDにはいなかったタイプですね。元気はつらつとした感じで好感持てますよ。」
 とガールズ・ゴングのO坂記者。

 才能では他の選手には勝てないかもしれない。
でもスターライトには人をひきつける力があると思う。
 彼女がどこまで伸びていくか私は楽しみにしている。

「ふふん、6分だから私の勝ちね。」
「なにいってるのさ!ボクの対戦相手の結城さんの方がケイちゃんの相手の武藤さんより強いんだし、差はたったの41秒じゃないか!引き分けだよ引き分け。」
 同期で張り合うのはいいことだね。
この二人でタイトルマッチをする日が来るといいけど。
  
 ユズリハの新芽であるこの二人がデビューをした9年目4月・5月頃、ユズリハの古い葉、ベテランの伊達、カンナ、みことに衰えが見え始めてきた。
 まだまだわずかな衰えだけれど、ここまでNEW WINDの最前線のメンバーだっただけに、正直団体としては辛い。

 覚悟はしていたのだけど・・・いざ現実となると寂しいものだ。
これで所属選手の3分の1である5名がピークを超えた事になる。
現在のMAX WIND王者結城だって来年の春には22歳に、もちろん同期である武藤も同じく22歳になってしまう。
 ずっとνジェネといわれていた二人もすっかりベテラン選手なんだな。
その後に続く永沢・吉田・ハイブリットの4・5・6期の3人が今年のうちにどこまで成長できるかが鍵になるだろう。
 永沢は3期二人を撃破した実績もあるし、今年は飛躍してもらわないと困る。
 吉田ももう若手ではないわけだし、ここで上位を食う活躍を期待。
 ハイブリットには引退した姉、南利美の分も頑張ってもらわねばならないよね。
   
 我々NEW WINDは5月の旗揚げシリーズに再び新日本ドームに進出。
 ドーム側から打診を受けてのものだけど、メインにMAX WINDヘビーの試合を組んで開催。
 前回同様超満員札止めを記録。
でもあまりやりすぎるのもよくないから、もう少し間をおきたいかな。
 ドームをやると選手がハリキリすぎてしまうからか怪我人が増えてしまうのもあるし。
 メインのMAX WINDヘビーは結城がカンナの挑戦を何とか退け、初防衛に成功。

 ☆MAX WINDヘビー級選手権試合 60分1本勝負☆ 
○結城千種(24分30秒 二段蹴り→片エビ固め)カンナ神威× 
※初代女王結城が初防衛に成功※

 新世代の飛躍を願っているのに、何故カンナのリマッチ?という声もあった。
 何故かという問いに答えればNEW WINDを引っ張ってくれたカンナへの感謝の気持ちを込めてチャンスを与えてあげたかったんだ。
 実績のわりにはスポットが当たることは少なかったと思う。
でも常に上位戦線にあり、いくつものベルトを奪取した実力者。
 衰えを見せ始めたとはいえ、まだまだMAX WINDのベルトに一番近い実力者。
 まだやれるうちにチャンスはあげたい・・・と思ったんだね。
試合を見ていて、“獲れる”と何度も思ったんだけどなあ・・・

「仕方ありません。全力でやった結果ですから。」
 カンナは満足そうな表情だった。
「そうか・・・まだチャンスはあるさ。」
「社長、そのことなんですが・・・」
 カンナは私をまっすぐみる。
「なんだ?」
「はい。・・・社長のお気持ちはありがたいのですが、私はもういいです。自分の事は自分が一番わかっていますから。私にチャンスを下さるのなら、その分後輩にチャンスを与えてあげてください、お願いします。」
 カンナは頭を下げる。
「おいおい、何を言い出すんだ、まだやれるだろう?」
「はい。もちろんまだやれるとは思います。ですが、私がここで結城からベルトを取ったとしても団体にとっての意味は少ないのではないでしょうか。取れなくてもいいから後輩達が結城に挑む事をモチベーションにしてくれた方が団体の為になると思います。」
 私は涙が出そうになった。
団体の事を考え、自らは引くというのか・・・でも・・・
「いいのか?まだチャンスはあるんだぞ?」
「はい構いません。挑戦が決まった時に伊達さんとも相談した結果ですから。私はこれを最後と決めてましたし、伊達さんは最初からMAX WINDのベルトには挑戦する気はないそうです。」
 伊達まで・・・
私は選手の為に挑戦させようとしていたのに、当の選手がこんな風に考えていてくれていたとは・・・わかっているようでわかってなかったのかな・・・
「“EWAが想い出のベルト・・・だから”って伊達さん言ってましたよ。MAX WIND創設まで6年くらい争ったベルトですからね。これから先の後輩達にはMAX WINDが最高だと思えるくらいに価値を高めて欲しいと思っています。」
 カンナの瞳に迷いはなく、私は伊達とカンナの思いを受け止める事にした。

 そして、この後MAX WINDヘビー及びAACタッグ戦線に伊達遥、カンナ神威の名前がラインナップされる事はなかったのだった。

 南の引退、伊達及びカンナのタイトル戦線からの離脱もあり、NEW WINDのメインキャストは3期生以降へと移行していく事になる。
 絶対王者化しつつある結城千種、同期でありライバルである武藤めぐみ。
 この両者を破った実績を持つ永沢舞、そして永沢のパートナーである吉田龍子。
 これに続くハイブリット南までがタイトル戦線をにぎわせてくれるだろう。
 今が一番難しい時期かもしれないね・・・
このあとの7期以降のメンバーが成長してくれればもっと面白くなるだろう。
 それまでの間、伊達、カンナ、みことにはタイトルには絡まずとも、もう1踏ん張りしてもらわないといけないな。



 そして6月。
 8期生の二人がサプライズを起こす。

 まずスイレンが、1期生氷室を新必殺技 草薙流阿修羅退治(変形キン肉バスター)で沈め3カウントを奪う。
 阿修羅退治はアシュラバスターとも読めるのだが、草薙流で修羅を退治する時に使う切札だそうな。
 みこと曰く「草薙流にそんな技ありましたかね?」とのこと。
 そういえば誰かがスイレンの部屋に漫画を置いてきたとか言ってたけど、それと関係あるのかな?
 
×氷室(13分21秒 草薙流阿修羅退治)スイレン○

 そしてそれに触発されたか、シャイニングも氷室を新技、シャイニングフィンガーで撃破。
 さてこのシャイニングフィンガーとはランニング式の掌底なんだけど、腰の辺りで溜めてから抜き放つ技。
 気を練ると言っているせいか、なんとなく光って見える気がするようなしないような。

 ・・・そういえば、以前バカンスに行った時に(※その69参照)夢でみた技に似てるなあ・・・
 ・・・もしかしてあの時のあの夢は本当だったのでは・・・? 

 でもあの時はシャイニングはいなかったしね。気のせいだろう。

×氷室(13分2秒 シャイニングフィンガー→体固め)シャイニング○

 8期の二人もお互いを意識して競いあうように伸びている。
これに比べると、7期のフェニはのんびりとした成長だなあ。
 
 やはり同期がいる・いないってのは大きいのかな。
それとも本人の持つ資質なのか・・・それはわからないけど、フェニは期待ほど伸びてくれていないのは確か。
 もう少し伸びて欲しいのだけど・・・南を破った実績もあるわけだし、
まだまだ出来る子だと思っているのだから。

 
 伊達、カンナ、みことにはまだまだ踏ん張ってもらいたいし、若手には早くこの二人を超えるようになってもらいたいし・・・
 社長も色々複雑だよ・・・


「それも運命ですよ、社長。」
 氷室がニッコリと笑った。
今までなら南のポジションだが、彼女は今はいない。
「運命か・・・そうかもしれないな。」


 NEW WINDは9度目の夏を迎えようとしていた。



↓ご感想などはこちらからどうぞ。




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2007/01/12 00:15 | Comments(0) | NEW WIND編

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