NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
◇5年目5月◇
5月はこの団体にとって大切な月だ。
新人は大抵5月デビューだし、海外団体との提携なども五月に行う。
1年目5月~3年目4月まではAACと提携。
うちの1期生たちを鍛えてくれたのはAACの選手だったことは間違いない。
飛び技中心のAAC勢の試合は華麗だった。
3年目5月~5年目4月・・・つまり先月まではEWAとの提携。
当初は外敵としての来日だったが、Ex-Sタッグで”ナスターシャ・ハン&永沢舞組”が実現したように最終的には”仲間”だった気がする。
そして今月からはWWCAとの提携。
ダークスター・カオス率いるWWCAは、今までの2団体よりも強豪揃い。
今のうちの選手たちがどこまで通用するか楽しみだ。
◇とある午後の事務所◇
私は道場の様子を眺めながら思案していた。
そろそろ1期生も19歳になるのか・・・準備はしておかないな。
おっと南は20歳だったっけ・・・早いものだ。
うちの選手たちは15歳(南だけ16歳)でデビューしている。
今年で5年目、まだあどけなさが残っていた少女たちは大人の女性へと変化しつつある。
昔の女子プロレス界に存在した25歳定年制。
今は形骸化した・・・といえなくもないが、やはり線が崩れた女子の試合はあまり美しくない。
私は基本的に25歳定年制に近い形で彼女たちを第2の人生に送りだしたいと考えている。
やはり女性の幸せを考える上で、あまり長くこの仕事をするのは・・・な。
あれだけの激闘をするわけだし、ダメージは必ず蓄積される。
腰・ヒザなどに負担をかけるわけだしね。
「社長・・・呼んだ?」
伊達が事務所へ入ってきた。
「ああ、来たか。そこへ。」
私は右手で応接セットのソファーを差し示す。
「では・・・失礼します。」
伊達は背が高いのだが、なんとなく小さく座る。
「社長・・・なにか・・・あったの?」
「うん・・・とても重要な事を頼もうと思ってね。」
「重要なこと・・・海外で・・・防衛?それとも・・・挑戦?」
「そうだな。”挑戦”だな。」
私はちょっと意地悪な事を言ったかもしれない。
挑戦は挑戦でも違う挑戦なのだが、きっと彼女はカオスに挑戦するのだと思うだろう。
「・・・ダークスター・カオス?」
やはりな。
「違うんだよ伊達、そうじゃないんだ。」
「じゃ、じゃあ・・・WWCAタッグ?・・・それとも・・・AACタッグのリマッチ?」
「はは、そうじゃないんだよ。」
「じゃ・・・なあに?」
伊達はもう思いつかないという表情を浮かべる。
「コーチに就任してもらおうと思ってね。」
「・・・南さんに?」
こらこら・・・だったら南に言うよ(笑)
「違うよ、南にじゃない。私は”伊達遥”に頼んでいるんだよ。」
しばしの間・・・
「えっ!私に・・・????」
どうやらかなり驚いたらしい。
そりゃ南の方が適任かな・・・って思うよな普通。
「私が・・・コーチ??引退しろって事?」
伊達は辞めさせられるのかと思って涙目になる。
「違う、違う!”兼任コーチになってくれないか?”ということなんだよ。」
「兼任・・・コーチ?」
「そう。”兼任”。だから今居るコーチ達みたいに5人とか見てくれとは言わない。1人だけ見て欲しいんだよ。」
「1人?・・・」
「もちろんお給料は上乗せするよ。」
「私に・・・できるのかな?」
明らかに不安そうな伊達、リングの上とは別人だよなあ。
「出来るさ。それに人に教えるのもいいと思うよ。きっと自分の役にたつから。」
「・・・やってみ・・ようかな・・・」
まだ不安そうな伊達、だが瞳の奥に燃えるものがあるのを私は感じた。
「お給料は上乗せするからね。」
再度アピールする私。
「やり・・・ます!」
「じゃこれにサインしてね。」
「はい。」
サインし終えた伊達から書類を受け取り金庫へ保管する。
「あの・・・誰を・・・コーチするんですか?」
「あれ言ってなかったっけ?永沢だよ。」
「!!?・・・」
「カオスより強敵かもしれないけど、頑張れよ。」
「う、うん・・・頑張る。」
物静かな伊達と煩い永沢。
あえてこの組み合わせでやらせてみる。
伊達の成長、永沢の成長を願って。
「社長も策士ねえ。わざと言わないんだから・・・」
伊達が出て行った後、応接セットの衝立の向こうから南が出てきた。
事前に南には話をしてあったし、彼女が様子を見たいというので隠れさせていた。
「言ったらたぶんやらないと思ったんだよ。ちゃんと契約書は交わしたしね。」
「私じゃなくて遥にしたのは正解だと思うわ。私は実戦で覚えさせるタイプだから。・・・それに私が私を伝える相手はもう決まっているのだから。」
南は思案顔になる。
「なるほど。その時を楽しみにしているよ。」
「・・・ありがとう。じゃね社長・・・今度飲みに行きましょうか?今後の団体のことをお話しに。」
20歳になるんだから・・・か。
「ダメだ。酒と男とタバコは禁止。」
「あら?じゃ・・・社長とも話しちゃだめってことね。」
「えっ?」
「一応社長も男でしょ?」
「”いちおう”・・・」
「ふふ冗談よ。でもちょっとだけ・・・折角ルール上飲めるようになるんだから、ちょっとだけ飲んでみたいのよね。」
「事故の元だぞ。」
「大丈夫。1口飲んでみたいだけだから、じゃないともう話さないからね。」
「あう・・・」
「じゃ約束よ社長♪」
まったく。
どっちが策士なんだか・・・
こちらから管理人に拍手及びメッセージを送ることができます。
5月はこの団体にとって大切な月だ。
新人は大抵5月デビューだし、海外団体との提携なども五月に行う。
1年目5月~3年目4月まではAACと提携。
うちの1期生たちを鍛えてくれたのはAACの選手だったことは間違いない。
飛び技中心のAAC勢の試合は華麗だった。
3年目5月~5年目4月・・・つまり先月まではEWAとの提携。
当初は外敵としての来日だったが、Ex-Sタッグで”ナスターシャ・ハン&永沢舞組”が実現したように最終的には”仲間”だった気がする。
そして今月からはWWCAとの提携。
ダークスター・カオス率いるWWCAは、今までの2団体よりも強豪揃い。
今のうちの選手たちがどこまで通用するか楽しみだ。
◇とある午後の事務所◇
私は道場の様子を眺めながら思案していた。
そろそろ1期生も19歳になるのか・・・準備はしておかないな。
おっと南は20歳だったっけ・・・早いものだ。
うちの選手たちは15歳(南だけ16歳)でデビューしている。
今年で5年目、まだあどけなさが残っていた少女たちは大人の女性へと変化しつつある。
昔の女子プロレス界に存在した25歳定年制。
今は形骸化した・・・といえなくもないが、やはり線が崩れた女子の試合はあまり美しくない。
私は基本的に25歳定年制に近い形で彼女たちを第2の人生に送りだしたいと考えている。
やはり女性の幸せを考える上で、あまり長くこの仕事をするのは・・・な。
あれだけの激闘をするわけだし、ダメージは必ず蓄積される。
腰・ヒザなどに負担をかけるわけだしね。
「社長・・・呼んだ?」
伊達が事務所へ入ってきた。
「ああ、来たか。そこへ。」
私は右手で応接セットのソファーを差し示す。
「では・・・失礼します。」
伊達は背が高いのだが、なんとなく小さく座る。
「社長・・・なにか・・・あったの?」
「うん・・・とても重要な事を頼もうと思ってね。」
「重要なこと・・・海外で・・・防衛?それとも・・・挑戦?」
「そうだな。”挑戦”だな。」
私はちょっと意地悪な事を言ったかもしれない。
挑戦は挑戦でも違う挑戦なのだが、きっと彼女はカオスに挑戦するのだと思うだろう。
「・・・ダークスター・カオス?」
やはりな。
「違うんだよ伊達、そうじゃないんだ。」
「じゃ、じゃあ・・・WWCAタッグ?・・・それとも・・・AACタッグのリマッチ?」
「はは、そうじゃないんだよ。」
「じゃ・・・なあに?」
伊達はもう思いつかないという表情を浮かべる。
「コーチに就任してもらおうと思ってね。」
「・・・南さんに?」
こらこら・・・だったら南に言うよ(笑)
「違うよ、南にじゃない。私は”伊達遥”に頼んでいるんだよ。」
しばしの間・・・
「えっ!私に・・・????」
どうやらかなり驚いたらしい。
そりゃ南の方が適任かな・・・って思うよな普通。
「私が・・・コーチ??引退しろって事?」
伊達は辞めさせられるのかと思って涙目になる。
「違う、違う!”兼任コーチになってくれないか?”ということなんだよ。」
「兼任・・・コーチ?」
「そう。”兼任”。だから今居るコーチ達みたいに5人とか見てくれとは言わない。1人だけ見て欲しいんだよ。」
「1人?・・・」
「もちろんお給料は上乗せするよ。」
「私に・・・できるのかな?」
明らかに不安そうな伊達、リングの上とは別人だよなあ。
「出来るさ。それに人に教えるのもいいと思うよ。きっと自分の役にたつから。」
「・・・やってみ・・ようかな・・・」
まだ不安そうな伊達、だが瞳の奥に燃えるものがあるのを私は感じた。
「お給料は上乗せするからね。」
再度アピールする私。
「やり・・・ます!」
「じゃこれにサインしてね。」
「はい。」
サインし終えた伊達から書類を受け取り金庫へ保管する。
「あの・・・誰を・・・コーチするんですか?」
「あれ言ってなかったっけ?永沢だよ。」
「!!?・・・」
「カオスより強敵かもしれないけど、頑張れよ。」
「う、うん・・・頑張る。」
物静かな伊達と煩い永沢。
あえてこの組み合わせでやらせてみる。
伊達の成長、永沢の成長を願って。
「社長も策士ねえ。わざと言わないんだから・・・」
伊達が出て行った後、応接セットの衝立の向こうから南が出てきた。
事前に南には話をしてあったし、彼女が様子を見たいというので隠れさせていた。
「言ったらたぶんやらないと思ったんだよ。ちゃんと契約書は交わしたしね。」
「私じゃなくて遥にしたのは正解だと思うわ。私は実戦で覚えさせるタイプだから。・・・それに私が私を伝える相手はもう決まっているのだから。」
南は思案顔になる。
「なるほど。その時を楽しみにしているよ。」
「・・・ありがとう。じゃね社長・・・今度飲みに行きましょうか?今後の団体のことをお話しに。」
20歳になるんだから・・・か。
「ダメだ。酒と男とタバコは禁止。」
「あら?じゃ・・・社長とも話しちゃだめってことね。」
「えっ?」
「一応社長も男でしょ?」
「”いちおう”・・・」
「ふふ冗談よ。でもちょっとだけ・・・折角ルール上飲めるようになるんだから、ちょっとだけ飲んでみたいのよね。」
「事故の元だぞ。」
「大丈夫。1口飲んでみたいだけだから、じゃないともう話さないからね。」
「あう・・・」
「じゃ約束よ社長♪」
まったく。
どっちが策士なんだか・・・
こちらから管理人に拍手及びメッセージを送ることができます。
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コメント
やっと来れました
ちょくちょくゆっくり読ませてもらいますね。
posted by サクサクマンat 2007/01/01 10:15 [ コメントを修正する ]