NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
ラッキー内田の電撃退団は瞬く間に知れ渡り、NEW WIND事務所は抗議の電話の応対に追われた。
かかってきた本数は予想以上、ラッキーは人気が高かっただけに反動も大きかった。
「社長も電話に出てくださいよ。」
と疲労困憊の井上さんに言われたが私が電話に出たら火に油だろう。
”風間を出せ!”という電話は軽く3桁を超え、4桁に迫る勢いだそうだ。
氷室は別格として、伊達・南と同等かそれ以上の人気を誇る、”人気があって強くない”NEW WIND唯一のアイドル的レスラーだったのだから当然かもしれない。(注 けっして彼女は弱いレスラーではなく周囲が強すぎるだけだけど。)
ラッキーはケガなどで出遅れたのもあり、判官びいきが好きな日本人好みだったんだろう。
応援したくなる・・・という奴だ。
その人気レスラーが、いくら”円満退団”という形をとったとはいえ、あまりに突然過ぎる退団劇の主人公になったものだから、大騒ぎになってしまった。
一部週刊誌などでは、”私とラッキーの男女の仲”がこじれたのが原因だとか書いてあった。・・・好き勝手に書かれたものだ。
スポンサーには事前に説明しておいたし、TV局の上部には話が通っていたのでそちらの面では混乱はしなかった。
「私はヒザの治療に専念し、治るまではプロレスはしません。」
ラッキーは記者会見を開いて宣言した。
「私は1年のうち3~4ヶ月もヒザのケガで離脱したりしていました。
団体にも迷惑をかけていましたし、これ以上私が所属していても団体にはプラスにならないかもと思っていたところだったので、風間社長と相談した結果、退団する事になりました。
私はずっとジューシーペアとしてマッキー上戸とタッグを組んで活動してきました。
ジューシーペアとして歌手デビューもしましたし、思い出深いです。
でもCDは、売れませんでしたけど、みなさん買ってくれません?(笑)
だから正直マッキーと組めなくなるのは残念です。
”ヒザを治したらマッキーと組みたいか?”ですか? それは組みたいですけど、でもタッグはたくさん組んだので、復帰したらシングルで当たってみたいですね。 その後はシングルプレイヤーとして、活動したいですね。
今回は風間社長が悪者のようになってますけど、そうではないんです。
解雇ではなく”円満退団”ですから。
もしまたNEW WINDへ上がれる機会があれば上がりたいと思っていますし、私はNEW WINDが大好きですから。ケガがなかったら、最後までNEW WINDでファイトしたかったです。
ともかく私はまずはケガを治す事に専念します。」
ラッキーはこう言ってくれたが、私が“戦力外通告”をしたのは確かだ。
ケガの多さが理由だが、正直辛い通告だった。
デビュー前から頑張っている姿を知っているし、7年一緒にやってきた仲間だし、後輩に追い抜かれていくことに悩んでいる事も知っていた。
”ならどうして戦力外にするんだ?”
と思うだろうけど、団体の未来のためにはこれは仕方ないことだった。
今は一人勝ちと言われているNEW WINDだが、歴史はまだまだ浅い。
世代交代を経験した事がないし、第一期黄金時代を支えてくれたメンバーの引退後を見据えた経営をしておかないと、潰れた幾多の団体のようになってしまう。
能力が落ちているのに、ネームバリューのある上が居続けることで新世代が伸びなくなり結局潰れていった団体は数多い。
私はそれを知っているからこそ、その二の舞にならないように布石を打たねばならなかった。
宿舎さえ確保できていればラッキーはそのまま在籍できたと思うけど、彼女の為にはならなかったかもしれない。
ラッキーの”元NEW WIND所属、元EWAタッグ王者”という肩書きは女子プロレス界を渡り歩くにはかなりのアドバンテージだと思う。
フリーとして呼びたい団体も多いだろう。
ラッキーの輝きが増すことを信じて彼女を送りだしたいと思う。
もちろんバックアップはうちがするしね。
今回の件は選手達に緊張感を与える事に成功したが、フロント陣と現場の軋轢を生みかねないだけに微妙な問題となった。
選手達は概ね理解してくれたのだが、マッキーは不満そうだった。
マッキーには酷だったかもしれない。
だけどマッキーもいつまでもラッキーとのコンビだけではレスラーとしてどうかと思う。
全盛期は過ぎてしまったが、残り少なくなったレスラー生活を自分の為に使って欲しいと思う。
ラッキーと入れ替わるように・・・というか実際に入れ替わりで入団してきた新人は謎のマスクウーマン”シャイニング神威”。
マスクの色は違うけどデザインはカンナと同じ。
神威の名を冠しているように北海道の出身で背格好もカンナによく似ている。
カンナが自らスカウトしてきたとので詳しい事はしらないが、関節と打撃のセンスがあるそうだ。もちろん”例の洞窟でマスクを発見した”(※)らしいよ。
(※例の洞窟で・・・についてはその59を参照)
「カンナほどではないがなかなかの好素材だね。」
とは練習をみていたダンディさん評。
私の目から見ても確かにいい動きをしている。
NEW WINDの歴史上初の中途採用者で、分類上は8期生に属す。
おなじ8期生となるスイレンはちょっと先輩(3ヶ月ほど)になるのもあって「負けられません。」と修行を重ねている。
3期の結城&武藤以来久々の同期ありという事になって4~7期の面々はちょっと羨ましそうだった。
ただ空気は微妙。
シャイニングに罪はないのだが、“ラッキーを追い出した奴”という印象になってしまって選手達の間の空気も、そしてファンからの反応もあまり芳しくない。
だが実力者のカンナが後ろ盾なので、表立った反発がないのが幸いだが・・・
「私が入ってよかったと思わせられるレスラーになります。」
とはシャイニングの言葉。
私もそれを期待している。
そのためにベテランを放出して新人を獲得したわけだしね。
可能性がより高い方を選択した私が間違っていたのかどうかは2年もすればわかるだろうし。
なおシャイニングのデビュー戦は地元北海道の”キター!アリーナ”。
このセンスのないネーミングは誰の発想なんだか・・・いい会場なのになあ。
様々な反応の中、カンナとのデビュー戦を堂々と戦い、8分18秒、クロスフェイス・カンナでギブアップ負けを喫する。
その後早くもデビュー2戦目でちょっと先輩であり同期のスイレンからギブアップ勝利を奪ってみせた。
これにショックを受けたスイレンだったが、きっちり4戦目のシングル対決でフォール勝利!
スイレンもシャイニングもまだまだメインイベンターとの差はあるがこれから先が楽しみと思わせるライバルストーリーを創り出してくれた。
シャイニング神威よ、己の輝きで逆風を吹き飛ばせ!
↓ご感想などはこちらからどうぞ。
かかってきた本数は予想以上、ラッキーは人気が高かっただけに反動も大きかった。
「社長も電話に出てくださいよ。」
と疲労困憊の井上さんに言われたが私が電話に出たら火に油だろう。
”風間を出せ!”という電話は軽く3桁を超え、4桁に迫る勢いだそうだ。
氷室は別格として、伊達・南と同等かそれ以上の人気を誇る、”人気があって強くない”NEW WIND唯一のアイドル的レスラーだったのだから当然かもしれない。(注 けっして彼女は弱いレスラーではなく周囲が強すぎるだけだけど。)
ラッキーはケガなどで出遅れたのもあり、判官びいきが好きな日本人好みだったんだろう。
応援したくなる・・・という奴だ。
その人気レスラーが、いくら”円満退団”という形をとったとはいえ、あまりに突然過ぎる退団劇の主人公になったものだから、大騒ぎになってしまった。
一部週刊誌などでは、”私とラッキーの男女の仲”がこじれたのが原因だとか書いてあった。・・・好き勝手に書かれたものだ。
スポンサーには事前に説明しておいたし、TV局の上部には話が通っていたのでそちらの面では混乱はしなかった。
「私はヒザの治療に専念し、治るまではプロレスはしません。」
ラッキーは記者会見を開いて宣言した。
「私は1年のうち3~4ヶ月もヒザのケガで離脱したりしていました。
団体にも迷惑をかけていましたし、これ以上私が所属していても団体にはプラスにならないかもと思っていたところだったので、風間社長と相談した結果、退団する事になりました。
私はずっとジューシーペアとしてマッキー上戸とタッグを組んで活動してきました。
ジューシーペアとして歌手デビューもしましたし、思い出深いです。
でもCDは、売れませんでしたけど、みなさん買ってくれません?(笑)
だから正直マッキーと組めなくなるのは残念です。
”ヒザを治したらマッキーと組みたいか?”ですか? それは組みたいですけど、でもタッグはたくさん組んだので、復帰したらシングルで当たってみたいですね。 その後はシングルプレイヤーとして、活動したいですね。
今回は風間社長が悪者のようになってますけど、そうではないんです。
解雇ではなく”円満退団”ですから。
もしまたNEW WINDへ上がれる機会があれば上がりたいと思っていますし、私はNEW WINDが大好きですから。ケガがなかったら、最後までNEW WINDでファイトしたかったです。
ともかく私はまずはケガを治す事に専念します。」
ラッキーはこう言ってくれたが、私が“戦力外通告”をしたのは確かだ。
ケガの多さが理由だが、正直辛い通告だった。
デビュー前から頑張っている姿を知っているし、7年一緒にやってきた仲間だし、後輩に追い抜かれていくことに悩んでいる事も知っていた。
”ならどうして戦力外にするんだ?”
と思うだろうけど、団体の未来のためにはこれは仕方ないことだった。
今は一人勝ちと言われているNEW WINDだが、歴史はまだまだ浅い。
世代交代を経験した事がないし、第一期黄金時代を支えてくれたメンバーの引退後を見据えた経営をしておかないと、潰れた幾多の団体のようになってしまう。
能力が落ちているのに、ネームバリューのある上が居続けることで新世代が伸びなくなり結局潰れていった団体は数多い。
私はそれを知っているからこそ、その二の舞にならないように布石を打たねばならなかった。
宿舎さえ確保できていればラッキーはそのまま在籍できたと思うけど、彼女の為にはならなかったかもしれない。
ラッキーの”元NEW WIND所属、元EWAタッグ王者”という肩書きは女子プロレス界を渡り歩くにはかなりのアドバンテージだと思う。
フリーとして呼びたい団体も多いだろう。
ラッキーの輝きが増すことを信じて彼女を送りだしたいと思う。
もちろんバックアップはうちがするしね。
今回の件は選手達に緊張感を与える事に成功したが、フロント陣と現場の軋轢を生みかねないだけに微妙な問題となった。
選手達は概ね理解してくれたのだが、マッキーは不満そうだった。
マッキーには酷だったかもしれない。
だけどマッキーもいつまでもラッキーとのコンビだけではレスラーとしてどうかと思う。
全盛期は過ぎてしまったが、残り少なくなったレスラー生活を自分の為に使って欲しいと思う。
ラッキーと入れ替わるように・・・というか実際に入れ替わりで入団してきた新人は謎のマスクウーマン”シャイニング神威”。
マスクの色は違うけどデザインはカンナと同じ。
神威の名を冠しているように北海道の出身で背格好もカンナによく似ている。
カンナが自らスカウトしてきたとので詳しい事はしらないが、関節と打撃のセンスがあるそうだ。もちろん”例の洞窟でマスクを発見した”(※)らしいよ。
(※例の洞窟で・・・についてはその59を参照)
「カンナほどではないがなかなかの好素材だね。」
とは練習をみていたダンディさん評。
私の目から見ても確かにいい動きをしている。
NEW WINDの歴史上初の中途採用者で、分類上は8期生に属す。
おなじ8期生となるスイレンはちょっと先輩(3ヶ月ほど)になるのもあって「負けられません。」と修行を重ねている。
3期の結城&武藤以来久々の同期ありという事になって4~7期の面々はちょっと羨ましそうだった。
ただ空気は微妙。
シャイニングに罪はないのだが、“ラッキーを追い出した奴”という印象になってしまって選手達の間の空気も、そしてファンからの反応もあまり芳しくない。
だが実力者のカンナが後ろ盾なので、表立った反発がないのが幸いだが・・・
「私が入ってよかったと思わせられるレスラーになります。」
とはシャイニングの言葉。
私もそれを期待している。
そのためにベテランを放出して新人を獲得したわけだしね。
可能性がより高い方を選択した私が間違っていたのかどうかは2年もすればわかるだろうし。
なおシャイニングのデビュー戦は地元北海道の”キター!アリーナ”。
このセンスのないネーミングは誰の発想なんだか・・・いい会場なのになあ。
様々な反応の中、カンナとのデビュー戦を堂々と戦い、8分18秒、クロスフェイス・カンナでギブアップ負けを喫する。
その後早くもデビュー2戦目でちょっと先輩であり同期のスイレンからギブアップ勝利を奪ってみせた。
これにショックを受けたスイレンだったが、きっちり4戦目のシングル対決でフォール勝利!
スイレンもシャイニングもまだまだメインイベンターとの差はあるがこれから先が楽しみと思わせるライバルストーリーを創り出してくれた。
シャイニング神威よ、己の輝きで逆風を吹き飛ばせ!
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