NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
◇11年目5月◇
NEW WINDの絶対女王として君臨し続ける結城千種。
同期であり、ライバルだった盟友武藤めぐみは先月リングを去ったが、結城はいまだに団体の象徴である”MAX WINDベルト”を保持したままだ。
武藤同様、瞬発力の低下から飛び技を封印、とっさの防御への反応も以前から比べれば遅くなってきているし、さらに最近ではパワーも低下しつつある。
それでも結城は負けない。
「まだ後輩たちに任せるわけにはいかないんです。」
と結城は言う。
エースの称号を持つものだけがわかるエースの重み。
前エース伊達から引き継いだエースの自覚、そしてエースを目指して凌ぎを削ったライバルたちのエースへの想い。
後輩に対するもどかしさと、衰える自分への焦り。
多くを抱え込んでしまった結城が“崩れ落ちる前に”・・・誰か介錯してあげて欲しいのだが・・・
せめて最後は気楽にプロレスを楽しんで欲しいから.
さて新エース候補と言われているのは4期永沢・5期吉田・6期ハイブリットの3人だったが、この中の一人、4期永沢にもついに衰えが見え始めた。
全盛期の結城・武藤を撃破した実績を持つだけに期待され続けていたのだが・・・ならば吉田とハイブリットに期待したいところだったが、吉田はケガで5・6月シリーズを欠場。
またハイブリットもケガで6月シリーズを欠場。
これでは結城を介錯してあげることなど出来やしない。
「まったく情けない。今の結城に勝てないとは。」
「結城さんの粘りは下の世代にはないものですからね。」
井上さんもため息をつく。
「うむむ。他の団体のようにベルト返上・封印という選択肢もあるにはあるけど・・・」
「あちらも初代が絶対王者だったようですし、状況は似ていますね。」
「・・・価値は下がっても構わない。歴史を途切れさせることだけは出来ないな。」
「価値は次代の王者が上げなおせば済むことですものね。」
封印はしない。
だけど、もう結城を楽にしてあげたい。
王者でいることの重圧から解放してあげたいんだよなあ。
そして4人目のニューヒロイン候補である8期スイレンは・・・3月にカオスを撃破した勢いをキープしたまま結城とノンタイトルで対決。
ニューヒロイン誕生の期待が高まったのだが、完敗を喫してしまった。
「蓮はいいものを持っていると思います。だけど、まだ蓮には勉強する事が一杯あると思いますから、負けるわけにはいきません。」
「千種さんはさすがです。本当に凄い選手だと思います。まだまだ私は修行が足りませんね。」
見えない未来・・・エースを継ぐべき者達が足踏みをしている間に、結城の衰えは進行していく。
今のNEW WINDは伊達・南・カンナ・みこと・結城・武藤の6人が覇権を争っていた頃に比べると、レベルが低下しているといえる。
実際観客動員もわずかづつだが落ちている(今までなら札止めになるところがならないなど)し、常連客からも質の低下を憂慮する声が届いている。
そんな中でデビューした11期生藤島瞳はルックスのよさでファンの男性ハートをガッチリと掴んでいるが、まだまだ試合内容は先輩達には遠く、遠く及ばない。
新たな客層を開発しうる存在だと思うのだけど、まだまだヒヨッコ。
これからの成長を期待しつつ、先輩とのタッグで引っ張ってもらっている状況。
「きゃああ。ギブ!ギブアップ!!」
藤島の悲鳴が響く。
「あ~あ・・そんな技(リバースハーフボストンクラブ)でギブアップするなよなあ!」
「だってえ。痛いのいやなんだもん。」
「・・・そりゃわかるけどねえ。」
「ケガはしたくないもん。」
これじゃエースは無理だろうなあ・・・
「おおっ!!」
と会場がざわめいたのはこの日のメイン6人タッグマッチ。
8期のシャイニング神威がシャイニングクロス(閃光式飛びつき腕ひしぎ逆十字固め)であのTWWA王者メガライトからギブアップを奪ったのだ。
同期スイレンに比べると遅れをとっていたシャイニング神威だったが、6人タッグとはいえTWWA世界王者メガライトからのギブアップ勝利は大きい。
シャイニングもエースを狙える位置まで来たかな?
だがしかし怒り心頭のメガライトはシングルでの決着戦を要求。
シャイニングは余裕の表情で受けてたったが、怒りのパワーファイターメガライトの前に10分持たずに敗戦。
3月シリーズでスイレンに負けたカオスはそれを挽回するかのように再度組まれたシングルで2連勝し、その勢いのまま結城をシングルで撃破する。
以前なら余裕で勝利していたカオスに敗退。
もはや結城に往年の力はない事は明らかだが・・・だがそれに代わる存在がいない。
4期永沢は衰えをみせ、5期吉田と6期ハイブリットは結城を撃破できず、7期フェニは力不足。
8期スイレンとシャイニングはまだまだ荒削りで、これからの存在。
エースになるには早すぎる。
9期ジーニアスと相羽は伸びてはいるけどまだまだ先輩達には及ばない。
10期なぎさは性格的にエースになるタイプではないし、欠点が多すぎる。
そして11期藤島はエースになる気がない(苦笑)
「ふう。伊達や南がいた頃が懐かしいよ。」
「これも運命・・・です。よ、社長。」
秘書の井上さんが呟く。
「だよなあ。」
「はい。」
他の明るい話題としては相羽がEWA王者ハンを撃破したことか。
だけど直後にジーニアスに破れてしまうようではエースへの道はまだまだ先。
7月シリーズでは次代を担うべき選手と外人選手の強豪をぶつけるチャレンジシリーズを敢行するが・・・
ジーニアスがハンに負け、フェニは全敗、シャイニングもダダーンには勝ったがモーガンに粉砕され、永沢がメガライトに敗退。
スイレンはカオスと4戦して2勝2敗。
相羽もこのシリーズは動きが重く、モーガンのニーリフトに悶絶。
レベル的にはNEW WINDのトップ陣と外人王者4人衆の差はほとんどないといえることが知れ渡ることに。
「NEW WINDも堕ちたもんだよなあ。前は外人なんか蹴散らしていたのにさ。」
「まったくだよなあ・・・」
という常連さんたちの嘆きが聞こえてきた。
光明としてはスイレンがカオスと互角まで成長したことだろうか。
そして8月シリーズで最後の一期生ラッキー内田が“引退”。
本人の希望でおおがかりな引退シリーズは組まず、最後はジーニアス武藤とのシングル。
乱入したマッキーとの合体技 ジューシーインパクトから得意のラッキークロスにつなげたが、ギブアップを奪えず、浴びせ蹴りで最後の3カウントを聞いた。
「みなさんの温かいご声援忘れません。」
最後は駆けつけた盟友マッキー上戸と最後のジューシーペアポーズを決めてリングを去っていった。
今後は再びハッピープロジェクトの代表として選手の発掘に力を注いでもらう予定だ。
お疲れ様ラッキー。
なおこの日のメインはMAX WINDタッグ初代王者決定戦。
AAC王座を返上して臨んだ、永沢&吉田組がハイブリット&シャイニングの技巧派コンビを大激戦の末撃破し、初代王者に輝いた。
○永沢&吉田(57分 合体パワーボム→エビ固め)×ハイブ&シャイニング
ここで衰えをみせる永沢がベルトを奪取か。
うーん・・・混沌としているよなあ。
先への光明は未だみえず、NEW WINDの未来はまだ見えてこないまま秋を迎えようとしていた。
スカイブルーのリングは新たなる女王の誕生を、そしてそのライバルの出現を待ち望んでいる。
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私も今現在11年目の7月です。
小川ひかるさん(私の嫁)が引退して、プレイする気力が・・・失せてきました・・・
吉田龍子さんは強いのですが、弱くても個性のあるレスラーがいないと・・・