※このお話は、第2回アジアタッグリーグの結果から創作したものです。
daiya-kさんの書かれたSSのツリー式SSでもありますので、先にこちらのお話をお読みになっていただけると、お話がわかりやすくなっています。
daiya-kさんの書かれたSSのツリー式SSでもありますので、先にこちらのお話をお読みになっていただけると、お話がわかりやすくなっています。
「・・・終わっちゃった・・・」
「・・・ご、ごめんなさい・・・」
軍団NEW WINDの道場は重苦しい空気に包まれていた。
NEW WINDには看板タッグチームがある。
それは伊達遥&永沢舞の師弟タッグだ。
このタッグは、第1回アジアタッグリーグで決勝に進出し、優勝チームに土をつけた実績を持っている。
第2回アジアタッグリーグは、優勝チームへの再挑戦の場と考えていたし、予選である一次リーグは全勝で突破している。
その戦いぶりからは、2次リーグも余裕で突破できるだろうと思っていたし、軍団の誰しもが、決勝リーグへ進出できると思っていた。
しかし、二人は2次リーグでまさかの2敗を喫し、決勝リーグへ進出することはできなかったのである。
二人は頑張っていたし、前回よりもレベルアップもしていた。
ならば、なぜ敗戦を喫したか!
それはボスの油断・慢心にある。
長いことリーグ戦を戦っていると、選手の動きである程度相手の能力を見切ることができる。
「この程度なら・・・勝てる!」
今だから明かすが、ほぼ全ての試合でそう思っていた。
唯一「手強いかも」と思ったのは、狐一隊のみだった。
それも「多少手強いけど、勝てる。」という判断。
今思えばこれが甘かった。
相手は、決してトップレベルの選手ではないが、抜群のコンビネーションを誇っていた。
同期の絆・・・これを甘く見てしまったのが全ての誤りだったといえるだろう。
「個々の実力ならうちが優勢」
この判断はシングルマッチであれば間違いではない。
だが、これはタッグマッチ。
1+1が5にも、10にもなるタッグマッチだった。
気づけば、いつしか劣勢になり、そして負けていた。
「・・・打撃を出せなかった・・・」
伊達はそういって肩を落とした。
「舞が・・・足を引っ張りました・・・」
永沢もそういってがっくりと項垂れた。
「すまない、私が相手を甘く見積もった・・・」
私はそうつぶやくのがやっとだった。
HOMEでの敗戦をAWAYである程度取り戻したものの、最後によもやの事態が待っていたのだ。
「まさか・・・」
試合終了のゴングが鳴ったとき、私は思わず呟いた。
「45分26秒、45分26秒!ノーザンライトスープレックスホールドにより、勝者!辻香澄!!」
投げが得意の永沢が、投げ技で負けるとは・・・
それよりもなによりも、HOME戦で10分弱程度で片付けた『らぶりぃぱーてぃ』の綾霞組にまさかの敗戦を喫したのだ。
個々の実力では圧倒的に上回っていたし、相手の霞・・こと辻香澄の戦闘力は伊達が完全に封じ込めるはずだった。
しかし、試合は負けた。
はっきり言うが、相手の綾霞組は、背も、資質も、根性もない。
ついでに二人とも果実ではあるが、『果実』がない。
まあアンダー83があちらの軍団の入隊条件であるし、それはプロレスには関係ねえ!
・・・失礼。
向こうにあってこちらになかったもの・・・それは魂だったのかもしれない。
2次突破を賭けて魂を燃やし、全力で挑んできた綾霞の方が、「自分たちは決勝にいける」と思っていた伊達&永沢を上回ったのだろう。
なにしろ伊達の必殺『閃光鳳凰弾』を2発もクリアしたのだから、その気迫は十分すぎるほどわかるだろう。
個々の実力では負けないが、タッグチームとしての意識の差に負けた・・・そんな気がしている。
「だから、魂を込める事が大切だと教えただろう?」
ダンディさんが苦笑する。
「・・・ご、ごめんなさい。」
「・・・ぐすん・・・」
「今日の相手は、体は小さかったが、気迫がこもっていた。技の一つ一つに魂を込めてきていたんだ。 いつも言っているが、チョップ一つだって魂を込めれば、必殺技になりえるんだ。今日はそれを相手にやられたな。」
ダンディさんはそういって伊達と永沢の頭にポンと手を置いた。
「いい勉強になったじゃないか。これを次に活かせよ。」
「はい。絶対ゼッタイ活かします!」
「・・・次は・・・絶対に勝機を逃さない!」
伊達遥&永沢舞 NEW WIND師弟タッグ
第2回アジアタッグリーグ、2次リーグにて敗退。
優勝の夢を、打倒EROを狐一隊&らぶりぃぱーてぃ・・・そしてラディカルズに託します。
「舞・・・次の戦いへ。」
「はい遥さん、特訓トックンです!」
師弟タッグの挑戦は続く。
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なるほど、うちのHOME戦の後に成長されていたのですね。
決勝リーグ頑張ってくださいね。
SS楽しませていただきました。
>ALL
しばらくの間、伊達&永沢の師弟タッグをタッグ枠に置いて置きます。
アジアで優勝を狙うなら、うちには勝てないとダメですよ(笑) ぜひ力試しをしてみてくださいね。
ちなみにプレイヤー操作では1700クラスまでは倒せる能力を秘めています。