NEW WIND社長 風間新 手記より
改訂版発行にあたり、編集部よりご挨拶。
この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅な加筆・修正を加えた作品です。
以前の作品と比べると印象が変わる部分もあるかもしれませんが、より深みを増した風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を楽しんでみてください。
※今回は4年目12月のお話です。※
(NEW WIND編のその25「EX-Sはじまる」の後半部分および その26「EX-S2日目」のお話に該当します。)
改訂版発行にあたり、編集部よりご挨拶。
この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅な加筆・修正を加えた作品です。
以前の作品と比べると印象が変わる部分もあるかもしれませんが、より深みを増した風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を楽しんでみてください。
※今回は4年目12月のお話です。※
(NEW WIND編のその25「EX-Sはじまる」の後半部分および その26「EX-S2日目」のお話に該当します。)
☆タッグリーグ戦初日☆
シリーズ2日目のこの日からEX―Sタッグリーグが開幕。
リーグ戦の開幕カードは・・・ナスターシャ・ハン&永沢舞組VSウイン・ミラー&エレナ・ライアン組
「うわー、緊張!キンチョウ!」
初めてとなるのリーグ戦への参加に緊張しまくり、小刻みに震える永沢の肩をポンと叩くハン。無言だが、目で語っている。『私についてくれば大丈夫だ』と。
「はい! ファイト、ファイトです!」
永沢はハンの頼もしさを感じたらしく、一気に元気になり花道を飛び出していった。
二人は急造タッグだけど、デビュー当初から何度も試合で当たったり組んだりしている。
なので、永沢はハンの事をよく知っている。
ハンも永沢の成長を肌で知っているからこそ、タッグ結成を申し出てくれたのだ。
『出るからには優勝を狙うけど、それとは別に未来のライバルを育てるのも悪くないと思っている。』これがハンのメッセージだった。
さて肝心の試合の方だが、やはりハンの存在は大きいな。重い打撃技でミラー&エレナ組を寄せ付けない。
永沢とWドロップキックを決めるなどチームワークもよく、最後は永沢がミラーを押さえている間にドラゴンスリーパーをがっちりと決め、エレナからギブアップを奪ってみせた。
☆リーグ戦第2試合☆
今大会注目のタッグチーム『運命』氷室&イザベラはいきなりの強敵『νジェネ』結城&武藤との対戦からリーグ戦開始。
氷室&イザベラは、この試合がタッグチームとしてのデビュー戦だ。タッグキャリアでは上のνジェネと互角の勝負を繰り広げる。
レスラーとしてのキャリアでは氷室&イザベラに一日の長があるわけだから、ある意味当然なのかもしれないけど。
試合終盤イザベラは、場外でキャプチュード2連発を決め、武藤をグロッキー状態に追い込む。
これで『運命』が勝機を掴んだかのように見えたのだが、νジェネには急増タッグチーム相手に負けられない意地がある。
頭を抑えながらリングに転がり込んだ武藤を見てイザベラはニヤリと笑うと、フィニッシュを狙って武藤に近づいた。
だが、これは武藤の三味線だった。
不用意に近づいてきたイザベラを素早くシュミット式バックブリーカーに捕らえ動きを止めると、素早くコーナーへと駆け上がり、必殺のムーンサルトを華麗に決めた。
これは決まったか!と思ったのだが…
「おおっ!」
カウントギリギリでイザベラは何とか跳ね除ける。
「シズクっ!」
イザベラは、氷室を呼び込むと合体パイルドライバーを武藤に決め、即座に氷室にタッチ。
氷室はダウンする武藤に必殺の『紫龍』!!
今度こそフィニッシュか!と思われたが、無情にもニアロープ。
武藤はロープエスケープに成功し、なんとか結城にチェンジ。
結城のカカト落しをまともに食らってしまったイザベラはこれを返す事ができず、3カウントが入った。
☆第3試合☆
南&みことの『パーフェクツ』VSマッキー&ラッキーの『ジューシーペア』という、色々と因縁のあるカードが、いきなり開幕戦で実現。
「借りはまとめて返すぜ!いくぞラッキー!」
「OK、マッキー!」
今までの分もと意気込むジューシーペアだったが、終始EWAタッグ王者組の余裕を崩す事はできなかった。
チームワークではジューシーペアも負けていないが、個々のレベルの差がハッキリ見えた試合に感じられた。
「完璧じゃないわね。だからあなたとは組まないのよ。」
南は試合後は無言だったが、引き上げていく後ろ姿で語っていた。
☆第4試合☆
伊達&カンナVSアリス&クライ組。
本日のメインイベントではあるが、正直勝敗的には盛り上がりに欠けるカードになってしまった。『サイレントヴォイス』の負けを予想した人は会場に誰もいなかったのではないだろうか。
結果はいうまでもなく、サイレントヴォイスの圧勝に終わった。
◆初日終わって◆
サイレントヴォイス・パーフェクツ・νジェネの3チームが予想通りの白星スタート。
有力チームの一つと目されているジューシーペアは、宿敵パーフェクツにまたも苦杯を舐めさせられ、黒星発進となってしまった。
だが、まだまだ初日が終わっただけ。EX―Sはこれからが本番だ。
◇タッグリーグ戦2日目◇
この日は、注目のカードが二つ組まれている。
どちらの試合も、今後の優勝の行方を大きく左右するカードになりそうだ。
2日目の公式戦第一試合は、アリス&クライ組VSミラー&エレナ組。
注目度は低いカードだが、彼女たちはベストを尽くしてくれた。
8分35秒 体固めでクライがエレナを押さえ、アリス&クライ組が公式戦初勝利。
☆公式戦第2試合☆
『運命』氷室&スミス組VS『チームV』ハン&永沢組
初戦を落している運命は、ここで星は落とせない。
タッグでは弱い方を狙うのが基本。それにのっとり徹底した永沢狙いでペースを握る運命。
「かはっ…」
「ナガサワ!」
ハンはコーナーからパートナーへ声を飛ばす。
「舞が、舞がやるしか、やるしかないんです!」
完全に運命の術中に嵌り、新人には厳しいローンバトルを強いられた永沢だったが、ようやく得意の投げ技で状況を打開する。
「お願いしますっ!」
永沢は懸命に腕を伸ばし、なんとかハンにタッチすることに成功。
この瞬間、場内からは永沢の健闘を称える拍手が巻き起こった。
この試合はハン&永沢組に声援が集中。
チェンジしたハンはそれまでの鬱憤を晴らすかのようにまた、温かい声援にこたえるかのように、得意の重い打撃で二人を蹴散らしていくのだが…これはシングルマッチではなくタッグマッチだ。
シングルなら、この二人に遅れをとる事はないハンだったが、運命の巧みなタッチワーク&合体攻撃を受けグロッキーに。
ハンとしてはパートナーに交代したいところだったが、すでに永沢は戦える状態ではない。
声援を背に孤軍奮闘したハンだったが、最後は『合体パワーボム・ダブルディスティニー』で力尽きた。
これで両チームとも1勝1敗。
☆公式戦第3試合☆
南&みことの『パーフェクツ』VS結城&武藤の『νジェネ』
早くもリーグ戦二日目で実現したこのカードは白熱の大熱戦となる。
武藤がムーンサルトプレスで華麗に舞い、結城の垂直落下バックドロップが火を噴く。
みことの草薙流竜巻兜落しがリングに激しい衝撃を巻き起こし、南のネオ・サザンクロスで場内からは悲鳴と歓声が飛び交う。
4人のフィニッシュホールドが出尽くしても、まだ試合は終わっていなかった。
すでに4人ともぎりぎりの状態であり、何か大技が決まればその瞬間勝負は決まるだろう。
そして、フィニッシュは南&みことの奥の手だった。
結城をダウンさせたみことは、素早く仕掛けた。
コーナーに控える武藤をドロップキックで蹴落としてお膳立てを整えると、南を呼び込んだ。
「南さん!」
「わかっている!決めるよ!」
そして、二人は無理やり結城を引き起こすと、ここでまさかの合体パワーボムを放った!
「うおおおっ?」
場内からは驚きの声が漏れる。
それも当然だ。南もみこともパワーボムを使わないのに、まさかこの場面で合体式のパワーボムを使ってくるとは誰も考えもしなかったのだから。
まるでいつも使っているかのような美しい、そして破壊力にあふれるボムが、完璧に決まった。
これを返すだけの力は、結城にはもはや残っておらず、唯一の頼みである武藤も場外から戻ってくる気配はない。
そして、そのままスリーカウントが入った。
氷室&イザベラが決めてみせた、『合体パワーボム・ダブルディスティニー』よりも、力強く美しい『合体パワーボム・パーフェクト・ウインド』文句なしの説得力だった。
「本当は、ここで使う予定ではなかったのだけど…出し惜しみして負けるわけにはいかないから。」
南とみことの標的は、サイレントヴォイスなのだなと改めて感じる。
その標的にされたサイレントヴォイスはといえば、メインでジューシーペアを難なく粉砕。
フィニッシュは、伊達が普段はつなぎ技に使っているDDTだった。
リーグ戦2日目が終わって、全勝は『サイレントヴォイス』と、『パーフェクツ』のみ。
優勝の可能性もあると言われた強豪チーム『ジューシーペア』はいきなりの2連敗で、最下位タイと大きく出遅れてしまった。
ま、これからは相手が弱くなるので巻き返してはくるだろうけど、ちょっと優勝は厳しいかもしれないな。
◇EXーSタッグリーグ公式戦二日目終了◇
2勝=サイレントヴォイス、パーフェクツ
1勝=チームV、νジェネ、アリス&クライ、運命
0勝=ミラー&エレナ、ジューシーペア
シリーズ2日目のこの日からEX―Sタッグリーグが開幕。
リーグ戦の開幕カードは・・・ナスターシャ・ハン&永沢舞組VSウイン・ミラー&エレナ・ライアン組
「うわー、緊張!キンチョウ!」
初めてとなるのリーグ戦への参加に緊張しまくり、小刻みに震える永沢の肩をポンと叩くハン。無言だが、目で語っている。『私についてくれば大丈夫だ』と。
「はい! ファイト、ファイトです!」
永沢はハンの頼もしさを感じたらしく、一気に元気になり花道を飛び出していった。
二人は急造タッグだけど、デビュー当初から何度も試合で当たったり組んだりしている。
なので、永沢はハンの事をよく知っている。
ハンも永沢の成長を肌で知っているからこそ、タッグ結成を申し出てくれたのだ。
『出るからには優勝を狙うけど、それとは別に未来のライバルを育てるのも悪くないと思っている。』これがハンのメッセージだった。
さて肝心の試合の方だが、やはりハンの存在は大きいな。重い打撃技でミラー&エレナ組を寄せ付けない。
永沢とWドロップキックを決めるなどチームワークもよく、最後は永沢がミラーを押さえている間にドラゴンスリーパーをがっちりと決め、エレナからギブアップを奪ってみせた。
☆リーグ戦第2試合☆
今大会注目のタッグチーム『運命』氷室&イザベラはいきなりの強敵『νジェネ』結城&武藤との対戦からリーグ戦開始。
氷室&イザベラは、この試合がタッグチームとしてのデビュー戦だ。タッグキャリアでは上のνジェネと互角の勝負を繰り広げる。
レスラーとしてのキャリアでは氷室&イザベラに一日の長があるわけだから、ある意味当然なのかもしれないけど。
試合終盤イザベラは、場外でキャプチュード2連発を決め、武藤をグロッキー状態に追い込む。
これで『運命』が勝機を掴んだかのように見えたのだが、νジェネには急増タッグチーム相手に負けられない意地がある。
頭を抑えながらリングに転がり込んだ武藤を見てイザベラはニヤリと笑うと、フィニッシュを狙って武藤に近づいた。
だが、これは武藤の三味線だった。
不用意に近づいてきたイザベラを素早くシュミット式バックブリーカーに捕らえ動きを止めると、素早くコーナーへと駆け上がり、必殺のムーンサルトを華麗に決めた。
これは決まったか!と思ったのだが…
「おおっ!」
カウントギリギリでイザベラは何とか跳ね除ける。
「シズクっ!」
イザベラは、氷室を呼び込むと合体パイルドライバーを武藤に決め、即座に氷室にタッチ。
氷室はダウンする武藤に必殺の『紫龍』!!
今度こそフィニッシュか!と思われたが、無情にもニアロープ。
武藤はロープエスケープに成功し、なんとか結城にチェンジ。
結城のカカト落しをまともに食らってしまったイザベラはこれを返す事ができず、3カウントが入った。
☆第3試合☆
南&みことの『パーフェクツ』VSマッキー&ラッキーの『ジューシーペア』という、色々と因縁のあるカードが、いきなり開幕戦で実現。
「借りはまとめて返すぜ!いくぞラッキー!」
「OK、マッキー!」
今までの分もと意気込むジューシーペアだったが、終始EWAタッグ王者組の余裕を崩す事はできなかった。
チームワークではジューシーペアも負けていないが、個々のレベルの差がハッキリ見えた試合に感じられた。
「完璧じゃないわね。だからあなたとは組まないのよ。」
南は試合後は無言だったが、引き上げていく後ろ姿で語っていた。
☆第4試合☆
伊達&カンナVSアリス&クライ組。
本日のメインイベントではあるが、正直勝敗的には盛り上がりに欠けるカードになってしまった。『サイレントヴォイス』の負けを予想した人は会場に誰もいなかったのではないだろうか。
結果はいうまでもなく、サイレントヴォイスの圧勝に終わった。
◆初日終わって◆
サイレントヴォイス・パーフェクツ・νジェネの3チームが予想通りの白星スタート。
有力チームの一つと目されているジューシーペアは、宿敵パーフェクツにまたも苦杯を舐めさせられ、黒星発進となってしまった。
だが、まだまだ初日が終わっただけ。EX―Sはこれからが本番だ。
◇タッグリーグ戦2日目◇
この日は、注目のカードが二つ組まれている。
どちらの試合も、今後の優勝の行方を大きく左右するカードになりそうだ。
2日目の公式戦第一試合は、アリス&クライ組VSミラー&エレナ組。
注目度は低いカードだが、彼女たちはベストを尽くしてくれた。
8分35秒 体固めでクライがエレナを押さえ、アリス&クライ組が公式戦初勝利。
☆公式戦第2試合☆
『運命』氷室&スミス組VS『チームV』ハン&永沢組
初戦を落している運命は、ここで星は落とせない。
タッグでは弱い方を狙うのが基本。それにのっとり徹底した永沢狙いでペースを握る運命。
「かはっ…」
「ナガサワ!」
ハンはコーナーからパートナーへ声を飛ばす。
「舞が、舞がやるしか、やるしかないんです!」
完全に運命の術中に嵌り、新人には厳しいローンバトルを強いられた永沢だったが、ようやく得意の投げ技で状況を打開する。
「お願いしますっ!」
永沢は懸命に腕を伸ばし、なんとかハンにタッチすることに成功。
この瞬間、場内からは永沢の健闘を称える拍手が巻き起こった。
この試合はハン&永沢組に声援が集中。
チェンジしたハンはそれまでの鬱憤を晴らすかのようにまた、温かい声援にこたえるかのように、得意の重い打撃で二人を蹴散らしていくのだが…これはシングルマッチではなくタッグマッチだ。
シングルなら、この二人に遅れをとる事はないハンだったが、運命の巧みなタッチワーク&合体攻撃を受けグロッキーに。
ハンとしてはパートナーに交代したいところだったが、すでに永沢は戦える状態ではない。
声援を背に孤軍奮闘したハンだったが、最後は『合体パワーボム・ダブルディスティニー』で力尽きた。
これで両チームとも1勝1敗。
☆公式戦第3試合☆
南&みことの『パーフェクツ』VS結城&武藤の『νジェネ』
早くもリーグ戦二日目で実現したこのカードは白熱の大熱戦となる。
武藤がムーンサルトプレスで華麗に舞い、結城の垂直落下バックドロップが火を噴く。
みことの草薙流竜巻兜落しがリングに激しい衝撃を巻き起こし、南のネオ・サザンクロスで場内からは悲鳴と歓声が飛び交う。
4人のフィニッシュホールドが出尽くしても、まだ試合は終わっていなかった。
すでに4人ともぎりぎりの状態であり、何か大技が決まればその瞬間勝負は決まるだろう。
そして、フィニッシュは南&みことの奥の手だった。
結城をダウンさせたみことは、素早く仕掛けた。
コーナーに控える武藤をドロップキックで蹴落としてお膳立てを整えると、南を呼び込んだ。
「南さん!」
「わかっている!決めるよ!」
そして、二人は無理やり結城を引き起こすと、ここでまさかの合体パワーボムを放った!
「うおおおっ?」
場内からは驚きの声が漏れる。
それも当然だ。南もみこともパワーボムを使わないのに、まさかこの場面で合体式のパワーボムを使ってくるとは誰も考えもしなかったのだから。
まるでいつも使っているかのような美しい、そして破壊力にあふれるボムが、完璧に決まった。
これを返すだけの力は、結城にはもはや残っておらず、唯一の頼みである武藤も場外から戻ってくる気配はない。
そして、そのままスリーカウントが入った。
氷室&イザベラが決めてみせた、『合体パワーボム・ダブルディスティニー』よりも、力強く美しい『合体パワーボム・パーフェクト・ウインド』文句なしの説得力だった。
「本当は、ここで使う予定ではなかったのだけど…出し惜しみして負けるわけにはいかないから。」
南とみことの標的は、サイレントヴォイスなのだなと改めて感じる。
その標的にされたサイレントヴォイスはといえば、メインでジューシーペアを難なく粉砕。
フィニッシュは、伊達が普段はつなぎ技に使っているDDTだった。
リーグ戦2日目が終わって、全勝は『サイレントヴォイス』と、『パーフェクツ』のみ。
優勝の可能性もあると言われた強豪チーム『ジューシーペア』はいきなりの2連敗で、最下位タイと大きく出遅れてしまった。
ま、これからは相手が弱くなるので巻き返してはくるだろうけど、ちょっと優勝は厳しいかもしれないな。
◇EXーSタッグリーグ公式戦二日目終了◇
2勝=サイレントヴォイス、パーフェクツ
1勝=チームV、νジェネ、アリス&クライ、運命
0勝=ミラー&エレナ、ジューシーペア
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