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2024/04/19 20:35 |
NEW WINDの物語 第31話「笑撃のフィニッシュ!」
NEW WIND社長 風間新 手記より


 改訂版発行にあたり、編集部よりご挨拶。

 この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅な加筆・修正を加えた作品です。
 以前の作品と比べると印象が変わる部分もあるかもしれませんが、より深みを増した風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を楽しんでみてください。
(※今回はNEW WIND編のその40「竜虎」の後半に該当するお話です。)

◇最終戦 福岡大会◇

「社長、今日は見ていてください。新技で勝ちますから。」
 珍しく武藤が興奮気味に話しかけてきた。
「へー新技ね。どんな技なの?」
「そうですね、竜虎原爆ってところですよ。強そうでしょ?」
 竜虎原爆…?
「めぐみったらEWAでヒントを得たって、帰りの飛行機の中でうるさかったんですよ。」
「何よ!」
「はいはい。わかったからケンカしないの!ともかく楽しみにしているよ。」
 武藤と結城はアップをしにリングへと移動していった。
「ちょっと、社長!」
「なんだよ、南。怖い顔して。」
「今言った事、本心かしら?」
「えっ?…楽しみにしているって言った事?」
「…本心なのね?」
 南の目が冷たく光る。
「あ…いや……その…」
「今日のカードは当然分かっているわよね?」
 南に問い詰められ、狼狽しながらも私は今日のカードを第一試合から思いだす。
(そう、メインイベントは…南&永沢組VS結城&武藤)
「あっ…」
「ひどいです社長!私たちを実験台、実験台にさせるんですね!」
「社長…よくわかったわ!」
 なんなのだ一体。南と永沢に責められる私…だが一応中立の立場なのですけど私。

◇メインイベント◇

 今日のメインは南&永沢VS武藤&結城。
伊達が欠場している為、永沢は南と組ませて教育してもらっている。
「ドラゴンタイガー!いっきま~す!!」
試合終盤、永沢のドラゴンタイガー…いやテキーラサンライズが武藤に決まった。
だが、カウントは2.8。
「このお!」フライングニールキックで反撃した武藤はここで「竜虎原爆!」と叫ぶ。
 今度は武藤がフィニッシュ宣言。果たして竜虎原爆とはどんな技なのだろうか。
 ふらふらと立ちあがった永沢のバックをとった武藤は永沢の左腕を永沢の体の前でアームロック風にロック。さらに右腕を永沢の体の前でフルネルソン風(片腕だからハーフネルソン?)にロック。永沢を正面から見たら、『アニマル!』って感じのポーズに見えるな。
 それにしてもこの体勢もどこかで見たような…そのまま後方へブリッジする武藤!危険な角度で永沢がマットへと突き刺さる。
南は唖然として…いや笑いが止まらずカットに入らない……いや入れない。
 そのまま3カウントが入った。
 この技はやはり…私は仲間リングアナの顔を見やった。
「18分53秒、18分53秒…」
いつもならすぐに入る仲間リングアナの決め技コールだが、今日はちょっと戸惑っているようだ。
「竜虎原爆!よ。」。
 武藤が技の名前を伝える。
「社長…これ言ってもいいのですか?武藤のイメージが崩れますけど…」
 小声で私に確認する仲間リングアナ。私は彼が何を言いたいのかはわかっている。
「…ま、そういうのも面白いだろう。逆に堅いイメージが取れるだろう。ぷっ」
「わかりました。」と言って仲間リングアナは表情を引き締める…が、どことなく頬が緩んでいる。
「失礼いたしました。只今の試合は…18分53秒…」
「竜虎原爆!」
「『へなーらサンセット』によりまして勝者、武藤めぐみ!」
 この瞬間、会場大爆笑。私と仲間リングアナは当然として、ダンディさんや井上さんまで。
さらには対戦相手だった南をはじめ、武藤&結城を除く選手が大笑いしている。
 リフェリーのトニー館もマットを叩いて笑い転げている。
『孤高の天才姫』武藤めぐみと『へなーらサンセット』素晴らしくミスマッチな組み合わせだ(笑)
 永沢のキャラでのドラゴンタイガー=テキーラ事件よりも衝撃、いや笑撃度は大きい。
「竜虎原爆…」
「面白すぎるわ。めぐみはもう少し勉強した方がいいわね。その技は『へなーらサンセット』っていう技よ。」
「『へなーらサンセット』…ですか?」
「そうよ。もう引退しているけど女子プロレス界の誇る(?)『伝説のパフォーマンスレスラー』のオリジナル技よ。元々は永沢が今使っているテキーラを掟破りで仕掛けようとして『間違えた』らしいけど。」
 南はおなかを抱えている。 どう見ても試合を終えたばかりのレスラーとは思えないな。
「笑いすぎて腹筋が痛いわ。今日のどんな技より効いたわよ。」とわざわざマイクで言い放ち、南は永沢とさっさと退場。
 この南のマイクに再び会場は爆笑の渦。気づけばパートナーの結城の姿も消えていた。
「ちょ、ちょっと!何よ、これ!」
 しかもこの大会は地元の福岡での試合の上、TV中継されているしねえ。

◇控え室◇

「舞といい、めぐみといい勉強不足ね。ちゃんと事前に確認しなさいよ。」
「私あんな技で負けたの、恥ずかしいです。」
「見た目はアレだけど結構嫌な角度で来るのよね、あの技。」
「効いたです。」
 永沢は首の治療をしてもらっている。
「…でも確かにあの技で負けたくないわね…」
 この南の言葉に控え室にいた選手たちが一斉に頷いたのは言うまでもない。
「私の竜虎原爆が…へなーら…だなんて」
 武藤が珍しく落ち込んでいたが、たまにはいいだろう。   
 数日後に発売された週女および週レでは『伝説の技、孤高の天才姫の手で蘇る。』と書かれていた。
 そしてこの試合を見たのだろう、武藤へコメディ映画の出演オファーが来たのだが・・・武藤は当然拒否してきた。ま、AACタッグも予定しているから受けられても困るのだけど。 




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2008/06/08 18:00 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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