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NEW WINDの物語 第33話「クリスマスプレゼント」
NEW WIND社長 風間新 手記より


 改訂版発行にあたり、編集部よりご挨拶。

 この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅な加筆・修正を加えた作品です。
 以前の作品と比べると印象が変わる部分もあるかもしれませんが、より深みを増した風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を楽しんでみてください。
(※今回はNEW WIND編のその42「クリスマスプレゼント」に該当するお話です。)

◇5年目12月◇

 5度目の年末を迎えるNEW WIND。昨年のこの時期はEX―Sタッグリーグを開催していたが、毎年開催する予定ではないので、今年は開催しない。施設など一部を除いて『新女を超えた』今、わざわざEXに対抗する必要もないからね。そんな私の思惑を知ってか知らずか、新女からEXタッグへの招待状が届いたのだが当然お断りした。
 それに今月は特別なイベントを用意しているので、誰か一人でも欠けられては困るのだ。
(実際には負傷が癒えないラッキーは欠場して映画出演しているけど)
 みことなどは先日の南戦で負傷(軽症)しているが、今月は出場してもらう事になっている。もちろん悪化させないように配慮したカード編成にする予定だが、負傷箇所は狙うのがプロレスの鉄則だけに、こればかりは何ともいえないのだよな。

 私は社長室(事務所とも言う)に南と伊達を呼び、12月シリーズの概要を話した。 
「へー羨ましい話ね。私じゃ引退する時にしかやってもらえないだろうけどね。」
「…大変そう。でもちょっと羨ましいかも…」
「すまんな。4期の永沢以降は同期がいないし、上は手強いしさ。こういう機会は与えてあげないと。」
「シリーズ名までつけなくてもいいと思うけど。」
「あっ!そこか、論点は!」
「私もつけてもらおうかな『南利美サザンクロスロード』とか。」
「私…だと『フェニックスロード』?」
「…なんかどこかの商店街みたいね。」
「…私も…そう思った…」
 そして私はこの内容を本人に伝えるために道場へと移動した。
「ええ~っ!」
 道場に永沢の超音波声が放たれ、道場にいた全員が悶絶している。
「WWCAタッグ獲得のご褒美、『クリスマスプレゼント』みたいなものさ。気楽”に楽しめよ。」と明るく言ってみる。
「気楽…に?」
「うん。多分対戦する相手は、みんな『嫉妬まじりの意地悪な攻撃』をしてくるかもしれないけどな。あっはっは。」
「ガーン…」
「じゃそういうことだから。頑張れよ!」
「そ、そんな。」

 ◇12月シリーズ 『永沢舞ヴィクトリーロード』◇

初の個人名入りのシリーズだけど、先輩達にしたら面白くないだろうな。
 誰もがやったことのないことを後輩の永沢に持っていかれたのだから。
「あのクソガキ…しょっぱい試合したら私が潰す!」とマッキーが凄んだとも、「これで終わるのも…また運命。」と氷室が氷のような表情で呟いとも噂で聞いた。
 なお、あくまでも噂であり、真実ではないことを強調しておこう。

 この『永沢舞ヴィクトリーロード』は、伊達と永沢の師弟タッグがメインだが、最終戦『12月25日クリスマス大会 IN東京』だけはシングルマッチを予定している。

☆永沢舞ヴィクトリーロード第1戦☆

 初戦の相手は現AACタッグ王者組である『ホワイトスノー』カンナ神威&草薙みこと。
 二人ともやはり嫉妬があるのか、永沢を集中攻撃する。永沢も得意のブリザードスープレックスや、テキーラサンライズなどの投げ技で対抗したが、みことの竜巻兜落しからカンナのクロスフェイス・カンナとフィニッシュ技を立て続けに食らってはタップするしかなかった。勝負タイムは17分51秒。健闘と言えるけど、健闘程度ではまだまだだ。
「舞さん!まだまだ修行が足りませんね!」と珍しくマイクアピールするみこと。
「修行して、今度は絶対勝ってやるんだから!!」
 マイクを通さずに力強く言い切った永沢に場内から大歓声と拍手。
「楽しみにしていますよ。」
「強くなれよ。私のように!」
 カンナのマイクに場内爆笑。確かにカンナは実際強いけど、普通「私のように」なんて言わないだろう。うちの子達は結構『楽しいプロレス』もできるようだ。多分ダンディさんの影響だろう。

◇ヴィクトリーロード第2戦◇

 今度の対戦相手は、現EWAタッグ王者『νジェネ』こと結城千種&武藤めぐみ組。一つ下の後輩が優遇されているのだけど、この二人には嫉妬心はないようだ。
 自分たちが実力で認められてきただけに、チャンスを与えられてもそれを掴むのは、自分次第だと理解しているのだろうな。確かに永沢にはチャンスは与えたけど、これを掴めるかどうかは本人次第だ。

「決めろー!!」永沢が叫ぶ。
 伊達がその声に応えるかのように、めったに使わないラリアートを放つ。綺麗に回転して吹っ飛ぶ結城。カットに入ろうとした武藤を永沢がテキーラでカット。その間に伊達が3カウントを奪った。
「やったあ!」
 永沢が決めたわけじゃないが、現タッグ王者組を撃破したのは大きな自信になるだろう。
「伊達選手に頼るんじゃないわよ、永沢!自分でフォールとってから喜びなさい!」
「勝ちは勝ちですよ。タイトル戦ならベルト失っていますよ、先輩。ノンタイトル戦を組んでくれた社長に感謝!カンシャ!したら~♪」
 意外と口達者やなあ、永沢。
「ぐ…こ、このお…」
「あ、観客の皆さ~ん、こういうのなんていうか知っていますかあ?普通は負け犬の遠吠えですけど、武藤せんぱいさんの場合は違うんです。皆さんわかりますよね?せえのおお」
『負けへなの遠吠え』
 客席の同意を得てご満悦の永沢。
「く…くやしい…」
「よしなよ、めぐみ。舞の方が口では上手だよ。」
「永沢っ!覚えておきなさいよっ!」
後が怖いぞ、永沢。覚悟はしておけよ。

◇ヴィクトリーロード第3戦~第7戦◇

 3戦目の相手はマッキー&氷室組。チャンスがなかなか巡って来ない二人にとってはアピールする絶好のチャンスだったが、あっさりと伊達のアキレス腱固めで、マッキーがギブアップ。試合内容を見た限り、永沢とこの二人の差はほとんどないな。
 続く第4戦は、『WWCA最強コンビ』カオス&コーディとの対戦。さすがにパワーでは圧倒されたが、永沢は投げ技でチャンスを作り成長をアピール。そして、この試合、師弟タッグのタッチワークは抜群でカオス組を翻弄。最後は伊達が『シャイニングフェニックス』でカオスをフォールし、勝利。
 第5戦はカンナ&結城というレアチームが相手。レアどころか、初タッグかも。試合は、カンナのドラゴンスープレックスで永沢が沈む。
 第6戦はカオス&カンナという反則級レアチーム。永沢は抵抗らしい抵抗できずにダークスター・ハンマーで轟沈。
 第7戦はカンナ&武藤組というこれまたレアチームが相手。このあいだ恥をかかされたお礼とばかりに武藤が容赦のない攻めを見せる。永沢も得意の投げ技で反撃するが単発では武藤は止められない。武藤は『フライングニールキック』から『へなーらサンセット』へと繋ぎ、最後は『ダブルスピンムーンサルト』という超豪華フルコースで永沢を轟沈。
「成長ないわね!」
 武藤はこの一言だけ言うとさっさとリングを降りてしまった。
 永沢はダメージが大きく、伊達に背負われて退場。結局コメントは出せず仕舞いだった。
 だから後が怖いといったのだ。ヴィクトリーロードはこれで3勝4敗。

 最終戦シングルマッチの相手は、まだ発表されていない。


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2008/06/11 18:00 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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