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2024/04/18 14:04 |
NEW WINDの物語 第47話「明暗」

NEW WIND社長 風間新 手記より


 改訂版発行にあたり、編集部よりご挨拶。

 この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅な加筆・修正を加えた作品です。
 以前の作品と比べると印象が変わる部分もあるかもしれませんが、より深みを増した風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を楽しんでみてください。
(※今回はNEW WIND編のその61「公式リーグ戦」の後半部分およびその62「感じるもの」の前半部分に該当するお話です。)


☆公式リーグ戦3日目☆

 リング上にこの日2度目の竜巻が巻き起こると、会場からは大きな悲鳴と歓声がわき上がった。悲鳴の方が大きかったのは南ファンが多いからだろうか。さすがの南も反応する事ができず、そのままカウント3がはいった。。
「30分0秒、30分0秒 草薙流竜巻兜落し固めで勝者草薙みこと。この結果草薙選手2勝1敗、南選手1勝2敗となります。」
 仲間リングアナの声が会場に響き渡る。
「南さん…」
みことは起き上がれない南に手を貸し、立ち上がらせる。
「情けないわ…負けた上に手まで…完璧じゃないわね。」
「そんな事ありません。私だって…少し前まではそうしてもらいました。それに南さんは私にとって大事なパートナーだったのですから。」
「ありがとう、みこと。でも私を甘くみないでね。」
 南はみことの腕を取ると、スタンディング式のチキンウイングアームロックに取る。
「きゃう…南さん、何を!」
「前を見なさい…貴方はまだ振り返るには早すぎるわ。」
あとで聞いたところではリング上ではこういう会話をしていたそうだ。南としては自分を気遣ってくれるのは嬉しいけど、それよりも前を向いて精進しなさいと言いたかったのだろうな。
 
 カオスは永沢をまったく寄せ付けずに勝利。これで2勝1敗となる。一方の永沢はここまで3連敗と上位の壁に当たってしまっている印象。
 このリーグ戦では武藤が波に乗れないでいた。今日の試合でもカンナに翻弄された挙句、不用意に出したラリアートを脇固めに切り返されギブアップ。いったいどうしたのだろうか。   
武藤の盟友結城も、伊達の打撃ラッシュに沈む。伊達曰く「油断しすぎるから・・・」との事。今回のリーグ戦は混沌としており、誰が優勝するかまったく読めないな。

 ☆公式リーグ戦4日目☆

 カオスがパワーで南の技術を粉砕し、伊達が弟子永沢を圧倒する。この敗戦で南の優勝はほぼ絶望的になってしまった。永沢の師匠越えもまだまだ当分かかりそうな印象だった。
 みことはあと一歩のところまでカンナを追い詰めたが、リング中央でクロスフェイス・カンナを決められてしまい無念のギブアップ。
結城と武藤のライバル対決は、例によってハイスパートレスリング。武藤はここまでのリーグ戦3試合より格段に動きがよかった。終盤はニ段蹴り→カカト落し→二段蹴りのコンビネーションから、STFへと繋げた結城が優勢に。武藤はWスピンムーンサルトを決めるが結城は余裕でクリア。そしてめったに見せないレア技『スーパーフリーク』で担ぎあげ、豪快に武藤を叩きつけ、3カウントを奪取。ライバル対決は結城に凱歌が上がった。
 
 イシュタル・インパクトは公式戦4日目が終わった段階で、結城、カンナ、カオス、伊達が3勝で並ぶ大混戦となっている。
 女神イシュタルの祝福は誰が受けるのか。話題性十分な展開に満足しつつ、公式リーグ戦は後半戦へと突入する。

 ☆公式リーグ戦5日目☆

 本日のリーグ戦オープニングマッチは 伊達VSカオス。ともに3勝1敗同士の対戦とあって、試合前から両者気合十分。
 主導権を握ったのは、今回のリーグ戦で輝きが増したカオス。序盤からダークスター・ハンマーを連発し、伊達の体力を削っていく。
しかし伊達もエルボーで反撃の糸口をつかみ、得意の『暴れん坊なヒザ』へとつなげ主導権を取り戻す。だが、伊達の流れを凌ぎきったカオスは、再びダークスター・ハンマーで流れを引き戻す事に成功する。
 カウント2.8でダークスター・ハンマーをクリアした伊達は早くも必殺技シャイニングフェニックス! 強引に流れを取り戻そうとするが、やや強引すぎたか。
 結果的に早仕掛となり、カオスはふらふらするが倒れない。伊達はふらつくカオスを担ぎ上げるとデスバレーボムへとつなげる。ここでようやくカバーするが2.5でクリアするカオス、このシリーズでの好調ぶりは目を見張るものがある。
 ここでカオスはまたもダークスター・ハンマー!だが伊達は『鳳凰が羽ばたかないバージョン』のラリアートで切り返す。しかしこれはカオスの逆鱗に触れたようだ。
鬼の形相でフォールを跳ね除けると、スコーピオン・デスロックで伊達の力の源であるヒザを破壊しにいく。カオスは体重をしっかり乗せているので伊達はなかなか動けない。
「伊達!伊達!」
セコンドの吉田がエプロンマットをバンバン叩いて檄をとばす。かなりの時間をかけてロープへとエスケープした伊達に場内からは拍手が巻き起こる。
 セコンドの吉田もほっとした表情を浮かべていたのだが・・・カオスの目が怪しく光る。
カオスは力でリング中央へと引きずり戻すと、再びどっかりと腰を落しスコーピオン・デスロック。
「くうっ・・・」
再び呻き声を上げるが、ここでギブアップしないのが伊達だ。今度もロープへと必死に這い、今度こそエスケープに成功。だがカオスはそれすら折込済みだった。
 ようやくロープをつたって立ち上がった伊達にダークスター・ハンマーで突進していく。
「くっ!」
伊達は両腕でブロックしようとするが、カオスは伊達の前で突進をやめる。
 カオスはニヤリと笑うと、高速のバックスピンブローを伊達の右側頭部へと叩き込む。
「伊達!ロープこっち!!」
セコンドの吉田がロープエスケープを指示するが、カオスは抜け目がない。伊達の長い足がロープへと届くと判断するや、エビ固めでフォール。体固めや片エビ固めならロープへ足を伸ばして逃げることもできたのだが・・このままカウント3が入り、伊達がまさかの敗北を喫する。

 この日はこのカード以外は順当。
武藤が先輩のみことをダブルスピンムーンサルトで一蹴し、カンナは南から3カウントを奪い、結城は永沢に楽勝。今となっては3期生武藤が2期生のみことに勝ってもニュースにはならないし、当然という見方をされてしまう。これは南(1期生)とカンナ(2期生)も同じ。先輩だから強いという図式はプロレスのリングには通用しない。先輩たちには強くあって欲しいけど、それは難しいよね。

☆公式リーグ戦6日目☆

 すでに2敗と優勝戦線から離脱しかけている伊達はみことと対決。みことの投げ技の前に大苦戦をしいられた伊達だったが、最後は切り札、フェニックス・スプラッシュでみことに勝利する。
「さすが遥さんですね。勝てたと思ったのですが・・・」
「バランスにやられたか?」
「そうですね、遥さんって関節の防御がすごくヘタなところを除けば、バランスが取れていますから。引き出しの多さでは敵いませんよ。ようは私の修行不足ですね。」

 カンナが難なく永沢を下して1敗を死守。
武藤はリーグ戦中盤から調子を取り戻し、ようやく五分の星に戻すことができた。カオスは優勝戦線から一歩後退となる痛い敗戦となった。
南の関節技に苦しめられた結城だったが、『奥の奥の手』である『ランニングスリー』で、南の粘りを粉砕。コーナー付近で南を左肩にかつぎあげた結城は、右手でリング中央を指し示し、リング中央へと走りこみ南をマットに強烈に叩きつけ1敗を守った。

 残るは最終日のみとなった『イシュタル・インパクト』 
現在5勝1敗で結城とカンナが並んでおり、優勝争いはこの二人に絞られた。この二人の試合は最終日のメインイベントに組み込まれており、勝った方が優勝となる。単純かつ、一番燃える展開だな。

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2009/03/20 18:00 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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