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2024/04/20 23:32 |
NEW WINDの物語第16話「サザンクロスの輝き」
 編集部より。
 この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅加筆・修正を加えております。

 以前の作品と比べると印象が変わるかもしれませんが、風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を再度楽しんでみてください。

 ※今回は4年目7月から4年目8月までのお話です。※
(NEW WIND編の20話後半21話前半にかけてのお話です。)
◇4年目7月◇

「EWAタッグ王座はディジー&ロレンに決まったようだ。」
 私は道場で全員を集めて報告した。
EWAではジューシーペアのタッグ王座の返上を受けて、新王者決定戦を行っていたのだ。
「で、EWAの方から今月の興行で防衛戦を組めという指示が来ているのだが・・・」
 だれが挑戦するべきだと思う?と言いかけたのだが・・
「社長、いいかしら?」
「どうした南? 何か提案でもあるのかい?」
「提案というよりも立候補ね。」
 南は笑みを浮かべる。
「立候補って・・・シングルに専念するって言っていなかったか?」
 私は以前の南のコメントを思い出していた。
「確かに言ったわ。だって私、基本はシングルプレイヤーですもの。だけど今は無冠の身よ。何かアクションを起こすにはちょうどいいでしょ?」
「なるほど。でもタッグだとパートナーが必要だろう?ちょうどジューシーペアが一時休養になっているし、マッキーとの・・」
 上南シスターズを再結成か?
「いえ違うわ。前にも言ったはずよ。マッキーとじゃ完璧なタッグは組めないと。」
「なんだとこの野郎! 言わせておけば!」
「落ち着きなさいよ。」
マッキーをなだめるラッキー。
 それを見て私は・・・
「じゃあどうする?ラッキーと関節コンビでも組むのか?」
「社長も馬鹿ね。ラッキーとじゃますます完璧なタッグは組めないわ。」
「なんですって!キーッ、言わせておけばこの完璧になりたがり女は~!」
 今にも飛びかからんとしたラッキーをマッキーが羽交い絞めにする。
「よせよ。」
「くそっ、離せ、離せ!一発入れてやる!」
 この二人は、やっぱりいいコンビだよな。 
「じゃあ氷室か?」
「紫月には悪いけど、紫月ではないわ。」
「・・・これも運命・・・」
 南は一呼吸おいてからタッグパートナーの名前を告げた。
「社長、私は『みこと』と組みたい。」
 突然の指名に一番びっくりしたのは本人だったろう。
「えっ!私ですか?」
「・・・この話の流れで他に誰がいるのよ。」
 確かに。1期生3人でないなら、伊達&カンナはタッグを組んでいるわけだし、みことしかいないだろう。
「確かにそのタッグは魅力的だな。私はそれで構わないが・・・みことはどうだ?」
「よろしくお願いします。南さん」

 南とみことのタッグ『パーフェクツ』はこうして誕生し、EWAタッグへと挑戦する。
 過去ほとんど組んだことのない急造タッグのはずだが、まるで「長いこと組んでいたのかな?」と思わせるほど抜群のコンビネーションを発揮。 最後は合体ドロップキック→合体ラリアートの連携コンビネーションから、みことの得意技『草薙流兜落し』へと流れるように決めてフィニッシュ。初挑戦であっさりと王座を戴冠してみせた。
 うーん、さすがだ。南が完璧なタッグが組めるといっただけの事はある。

なおこのシリーズでは、カンナがタッグ戦ながら、一期生トップの伊達と南の両者から直接フォール勝利を収めて成長ぶりをアピール。
 シングル王座挑戦の資格はどうやらカンナにもありそうだ。

◇4年目8月◇

 伊達、カンナ、南の3人の中から、マッキーのベルトへの挑戦者を決定しようと思っていたのだが・・・こういう時に限ってAACからタッグ王座防衛指令が発動。例によって、これを断れば王座剥奪となってしまう。 今AACタッグのベルトを失うのも困るので、仕方なく伊達とカンナをAACへ遠征させる。
 そういえば伊達が始めてAACへ遠征した時(Jr王者時代)に、お供で連れていったのはカンナだったっけ。カンナが王者としてAACに出るなんて、あの時はまだ考えてなかったなあ。あの頃に比べると二人ともずいぶん逞しく成長したと思う。
 今回は私も同行したけれど、二人ともAACのファンに受け入れられていた。
 以前のようなブーイングはほとんどなく、二人は自分たちの実力でAACのファンに王者として認められたのだろうな。
 今回も相手の攻撃を受けきった上で、キッチリと王座を防衛していたよ。

 
 さて、AAC遠征の方はまったく問題はなかったのだが、問題は国内の方。
 エース格の伊達とカンナが不在となると、正直なところ動員面での不安を隠せない。
 いくら南が人気・実力ともにあると言っても、一人で支えるには苦しいからね。 
 打開策として・・・というわけではないが、今シリーズではEWAヘビー級選手権と、EWAタッグ選手権の二つのタイトル戦を行うことにした。
 まずEWAヘビーだが、挑戦者候補の3人のうち、伊達とカンナの二人が不在なので、残る一人が必然的に挑戦することになる。
『EWA認定世界ヘビー級前王者 南利美』のリターンマッチだ。

「私は、みこととのタッグに集中したかったのだけど、リベンジは望んでいたわけだし、拒否する理由はないわね。完璧なギブアップを奪って、前回の雪辱をさせてもらうわ。」
 
『EWA認定世界ヘビー級選手権試合』
 前哨戦の6人タッグ対決 (南&みこと&氷室VSマッキー&武藤&結城)では南がマッキーからネオ・サザンクロスロックでギブアップを奪っている。
 両者のこの1年間でのシングル成績はほぼ互角で、いつもクオリティの高い試合でファンの心を掴む名勝負数え歌になっているのだが・・・

「ぐうっ・・・」
リング中央で呻くマッキー。マッキーの右脚は南のサザンブレーカーにガッチリと決められている。
 南がさらに絞りあげようとした瞬間、レフェリーがそれを止めた。
「ストップだ、南!」
「えっ?」
 南は何故止められたかわからなかったようだ。
「ゴング!ゴング!」
 トニー館レフェリーがゴングを要請する。

「ただいまの試合は、23分30秒、サザンブレーカーで、南選手のギブアップ勝利となります。」

 呆然とする南、そしてあっけにとられる観客。私も何が起こったのか理解できなかった。
 どうやら、南の裏拳とジャーマンでダメージ受けていたマッキーは、リング中央でがっちり決まったサザンブレーカーに耐え切れずにあっさりタップしたらしい。
「ふざけないでっ!」
 納得のいかないフィニッシュに南は怒り心頭。技とくとみせかけてマッキーの右足(極めていた脚)を持ち上げると、足に裏拳を連打で叩きこむ。
「ぐうっ!ぐわっ!」
 悲鳴を上げてのたうち回るマッキーには見向きもせず、南は本部席のベルトをひったくると、そのまま退場してしまった。

 ☆EWAタッグ選手権試合☆

 南&みことの『パーフェクツ』に挑戦したのは、最近グングン力をつけてきている結城&武藤の3期生コンビ『νジェネ』だ。

「今の二人なら、面白い試合になるだろう。」と思って組んだカードだったのだが、この試合の南は、不完全燃焼に終わったシングル王座戦の汚名返上に燃える南の気迫が二人を上回っていた。

「どうした、武藤!その程度か?」
 片ヒザをつく武藤を見下ろし、挑発する南。
「く、このおっ!」
 突っ込んでくる武藤に飛びつく南。飛びつき腕十字を狙っているのか?
「そうくると思った!」
 武藤はさっとガードを取ろうとしたが、「甘いわね。」と南。
「えっ?」
 飛びつき腕十字とみせかけて、南はクルンと武藤を丸め込んだ。初公開の『サザンクロスパッケージホールド』だ。
不意を突かれた武藤は完全に丸め込まれてしまい、肩をあげることが出来ずに、3カウント。

「39分23秒、サザンクロスパッケージホールドにより、勝者、南利美!」

 サザンクロスパッケージホールド(南十字包固め)とは、いわゆるスモールパッケージホールド(小包固め)だけど、飛びつき式で決めるのがポイント。
「関節だ!」と思って防御体勢に入るとクルンと丸めこまれてしまうのだ。

 ☆試合後のコメント☆

「あんなのに引っかかるなんて・・・」
 武藤は口を真一文字に結んで悔しがる。
 自信家であり、プライドが高い武藤だけにこういう負けは自分が許せないのだろう。
「今日は南選手の気迫が違いました。私たちがまだまだだって事を思い知らされました。」
 結城は勝者を認めるコメントをだした後、こう続けた。
「でも、次は負けません。そうだよね、めぐみ?」
「そうだね千種。」
 まだ若い二人だけに、伸びしろはまだまだある。次がどうなるか楽しみだな。

 一方勝った『パーフェクツ』は・・・
「まだまだ修行が足りませんね。私も、あの二人も。南さんとの差はまだまだありますから。」
 みことは南と組んでみて、南の凄さを再認識したらしい。
「みこと、私もまだまだだから。これからもお互いに修行を重ねていくわよ。完璧な勝利を目指してね。」
「はい、南さん。」
 こちらも現状に満足せず、さらに上を目指している。

『パーフェクツ』と『νジェネ』・・・二組のタッグチームの成長を私は楽しみにしているよ。 
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2007/12/01 20:30 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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