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2017/11/21 00:40 |
外伝? 女子プロお嬢様伝説ユイナ 
 NEW WIND社長 風間 新 手記より。

 今日はお正月休み。

 私達NEW WINDのメンバーは総出で映画館へと繰り出していた。
これだけの若い女の子を引き連れて行動するのはちょっぴり恥ずかしい。
 私は引率の先生の気分だ。

 私達が観る映画はお正月公開の娯楽映画『女子プロお嬢様伝説ユイナ』。
 我らが氷室紫月が出演している映画である。
ただ出てるだけならわざわざ全員で観には来ないのだが、出番も多いし、何よりも女子プロレスを題材にしているというのだから、観にこないわけにはいかないだろう。

「恥ずかしいです・・・」
氷室はうつむいているがこれも運命だと思って諦めなさいな。
「楽しみだよなあ。紫月がどんな演技をするのかが。」
「だね。私も楽しみ。」
ジューシーペアがはしゃぐ。
「私も楽しみです。ね、めぐみ。」
「う、うん。ちょっとドキドキする。」
結城は当然の反応だけど、武藤の反応は意外。
「武藤先輩もどきどきするんですねえ。」
「珍しい・・・よね。」
「・・・確かに。」
「ふふ、実はカンナさんもドキドキしてるんですよ。」
みんなはしゃいでいるなあ。
「静かにしなさい。はじまるわよ。」
南の一声で皆静まる。
一番引率の先生ぽいのは南だったか。 
 館内が暗くなり予告が始まる。
娯楽映画だけに予告も子供向けの内容のものが多い。

 そして本編の上映が始まる。


“女子プロお嬢様伝説 ユイナ ~えっ!アイドルがリングに?”

 中堅芸能事務所 風村プロダクション。
これまでは大したタレントもおらず、本当に弱小だった風村プロだったが、一人の金の卵が入ってきて大きく変わりはじめていた。

「ユイナちゃんちょっといい?」
マネージャーらしい男が声をかける。
「はい、なんでしょう!」
ユイナと呼ばれた少女は元気よく応えた。
 彼女こそは風村プロの金の卵であり、全国お嬢様コンテストに優勝して芸能界入りした“スーパーお嬢様アイドル”神楽坂ユイナである。
 もっとも彼女の家は只の中流家庭であり、お嬢様ではないのだが・・・
それに当人はいたって元気な女の子であり・・・とてもお嬢様という感じではない。
 お転婆・能天気・お気楽なのである。
「ユイナちゃん、明日からプロレスやってくれるかな?」
「はあ?プロレスってあの・・・リングで人を殴ったり蹴ったり投げたりするアレですか~?」
「そうだよユイナちゃん。よく知ってるね。」
「へへ。昔好きだったんだ~よね~。“ジューシーペア”とか。」
「昔って・・・それはまだ現役だよユイナちゃん。ビーナスペアでしょ?」
「あ、そうだった。あははははは。」
元気爆発だねえ。
「ところで何でプロレスなんですか?」
「うん、実はお嬢様プロレス団体“ローズ・ウイップ”という団体があってね。」
「お嬢様プロレス団体ですか?」
「うん。で、“偽のお嬢様である神楽坂ユイナを認めない”という話になってしまって、どうしても認めてほしければリングに立てって。」
「で・・・立たないといけないの?」
「うん・・・うちの親会社のさらに親会社がね・・・そこの団体を経営してるから・・・逆らえないんだよ。」
「え~~。いたいのやだよーー。」
この反応は当然の反応だ。
「ゴメンねユイナちゃん。僕らに力がないばっかりに・・・」
「マネージャーさん・・・」
ユイナは基本的に優しい子。
涙を流して悔しがるマネージャーの姿に心を打たれてしまった。
「私・・・やります!」
「おお・・・ありがとうユイナちゃん・・・」
お人よしでもあるんだよね・・・ユイナちゃんは。
「一人でってのもあれだから、九部由里(くべ・ゆり)も一緒にいかせるね。
彼女ならユイナちゃんも守ってくれるからね。」
「はい! 頑張ります」

こうして神楽坂ユイナはお嬢様プロレスの世界へと飛び込む事になった。


ユイナがいなくなった後の事務所では・・・

「あなたも役者ですね。 田辺さん。」
「・・・これで・・・いいんですね。」
「ええ、よいですことよ。田辺さん。オーホッホッホ。」
 謎の女の高笑いが響き・・・田辺と呼ばれた男は・・・がっくりと肩を落した。
 この田辺という男はユイナのマネージャーとそっくり・・・というか同一人物なのだが。

 
 ユイナと由里は二人歩いている。

「ユイナさん、本当にプロレスするんですか?」
「出来るわけないじゃん。だってー私運動音痴なんだから。」
「歌も音痴ですう。」
九部由里は屈託なく笑う。
 この子は事務所所属でユイナよりも先輩であるが、、年下ということもあり実の姉のようにユイナを慕っている。
 彼女は格闘技の経験があるので、今回選ばれたのだろう。
「ひっどいなあ~。これでも人気ナンバー1のアイドル歌手なんですけど。」
ユイナはない胸を張る。
「どうせ口パクですう。」
「だーそんなこといっちゃダメでしょ。嘘でもそういうこといったら噂になっちゃうんだからね~。この世界は怖いんだから。」
「そうですねえ。妬み嫉み・・渦巻いてますから。」
「はあ・・・なんでこんな事になったんだろう。私は普通の子でいたかったのに。」
「しょうがないですよ。友達が勝手に送って優勝しちゃったんですから。」
「はーそうなのよね。なんで私優勝したんだろ・・・」
「それはユイナさんが可愛いからです。」
「ちょっとお・・・照れるじゃない。」
ユイナは可愛いらしい顔を真っ赤に染める。
 男の子や男の人に可愛いといわれるのは何とも思わない(自信過剰?鈍感?)なユイナだったが、女の子に言われるとデレデレになってしまうのだ。
 だからといってユイナが女性が好きで男性嫌いというわけではないのだが。

「あーここですう。 ローズ・ウイップです。」
中世ヨーロッパ調の白い建物が二人を出迎える。
「ここが諸悪の根源ローズ・ウイップかあ。」
「あらずいぶんな物言いね、神楽坂ユイナさん。」
「あなた! お嬢様アイドルの清流野 清子(せいりゅうの きよこ)さん」
清流野清子。
 ユイナと同じお嬢様アイドルであり、その清楚なイメージから“清らか清ちゃん”と呼ばれ親しまれている。
「ようこそローズ・ウイップへ。」
「あなたもローズ・ウイップなの?」
「そうよ。ローズ・ウイップは美しさを前面に押し出した新しいプロレス団体。 今世の男どもは“夢中”なのです。」
「そりゃ・・・綺麗な女の子は見てみたいと思うだろうけど・・・」
「ここは選ばれしお嬢様が集う場所。あなたが本物のお嬢様アイドルだというのなら、我々の納得させるだけのお嬢様ファイトを見せてもらいたいものね。」
 
「そのチンクシャが神楽坂ユイナですの?」
「あら、エリナさま。ごきげんよう。」
エリナさまと呼ばれた少女は挑発的な目でユイナを見ている。
 挑発・・・というよりは見下した目の方が正しいけど。
長い髪を腰まで伸ばしている。整った顔立ち、体からにじみでる気品。
 清子と比べても、数段上のお嬢様であろうことは容易に想像がつく。
「ごきげんよくはありませんわ。ここから偽のお嬢様のにおいがしますから。」
「こいつ・・・言わせておけば・・・!!」
「こんなチンクシャのどこがお嬢様なのかしらね。見る目がないですわ世間も。」
エリナはユイナの体をつま先から頭の先まで一瞥すると、勝ち誇ったように笑う。
・ ・・確かに胸のないユイナからしてみれば、エリナのボディは圧倒的にスペックが上だ。
「あなた、お嬢様ファイト見たことないんですってね。よくそれでやる気になったものだわ。」
「プロレスと違うの?」
「ふふ、おばかさんね。違うに決まってますわ。もっとクール・ビューティ・エレガントなんですのよ。 全てが洗練された新しいプロレス。 それがお嬢様ファイトなんですから。」
「は、はあ・・・。」
「まず今夜の興行を見にくるのね。 お嬢様ファイトの真髄をおみせするわ。」
エレナは自信たっぷりだった。

「お嬢様ファイトかあ。」
「大丈夫ですよ。 ユイナさんなら出来ますって。」
「できるかなあ・・・」
「なんなら・・・占いでもしてもらいます?」
「占い?」
「ええ。よくあたることで有名な占い師さんがこの辺りにいるんですよ。」
「へーそうなんだ。行ってみようか。」

 その占い師はなぜか昼間だけしか姿を現さないという。
 いつもなら占いをしてもらう若い女の子で一杯なのだが、ユイナ達がそこについた時には誰もいなかった。
「ねえねえ由里、ここでいいの?」
「大丈夫ですよお。」
「でも誰もいないよ。」
店に入った二人はキョロキョロと辺りを眺める。
 占いの店独特の・・・なんともいえない雰囲気がある。
「もう店終いの時間なんですけど。」
誰もいないと思われた店の奥から声がする。
「あ、そうなんですか・・・」
奥から出てきたのはまだ若い女性で、不思議な雰囲気を持っている。
腰まで伸びた髪が印象的だが、顔はベールで隠れていてよくわからない。
「占いをご希望ですか? ユイナさん。」
「へっ私の事知ってるの?」
突然名前を言われてユイナはびっくりする。
「・・・」
占い師の女性は無言でユイナの後ろを右手で指差す。
「あ、そういうことかあ。びっくりしたあ。占い師さんって名前まで読めるのかと思っちゃった。」
「ですねえ。」
占い師の女性が指差した先にはユイナのポスターが貼ってあった。
 新作チョコレートのポスターである。
「それで悩みはお仕事の事かしら?」
「はい。新しいお仕事を受けたんですけど本当に受けてよかったのかな・・・って思って。」
「わかりました。では見てあげましょう。」
「ほんとですかあ!」
「さ、そちらにおかけなさい。」
占い師はユイナにイスに座るように指示をし、自分はその反対にあるイスに腰を降ろした。

「占い師 紫龍です。 貴方の運命を・・・占わせて頂きます。」
「お願いします、紫龍さん。」
ユイナはドキドキしながら、紫龍をみつめる。
(紫龍さんって・・・綺麗な瞳をしてるけど・・・その奥に強い意志があるわ・・・なんかカッコイイな)
「神楽坂ユイナさん・・・あなたは今困難への道を進んでいます。 ですが、貴方には大きな力が眠っています。それは太陽の力。」
「太陽の力?」
「あなたは人を照らし、導く太陽のような存在です。その太陽の光を浴びて光る月の存在があればあなたの力は発揮されるでしょう。
 月との出会いは運命。 あなたが今回の困難に出会ったことも全て運命なのです。 逃げる事はできない運命。あなたはこの困難を乗り越えるだけの力をお持ちです。 運命の導くままに・・・」
「えっとなんだかよく分からないけど・・・つまり頑張ればいいって事ね?」
「くす。 単純な言い方をすればそうなりますね。」
「太陽と月が出会う時、大いなる力が生まれます。その力なくしては運命の扉は開きません。それは覚えておいてください。」
「はい。ありがとう紫龍さん。」

代金を払って帰っていく二人を見つめながら占い師 紫龍はつぶやいた。
「あの子と私の出会いは運命・・・か。 ホントにそうなのかしら・・・不安だわ。」
紫龍はベールを外しそれを壁にかける。
「さ、占い師のお時間はおわりです。」

 紫龍は大きなボストンバックを持って店を後にした。
  

~続く~


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2006/12/04 23:58 | Comments(0) | NEW WIND外伝

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